日常会話の中でよく耳にする「励む」と「頑張る」。
どちらもポジティブな意味で使われますが、実は微妙なニュアンスの違いがあるのをご存じでしょうか?
本記事では、これら二つの言葉の意味や使い方の違いを分かりやすく解説し、例文とともに理解を深めていきます。
励むとは
励むとは、「心を打ち込んで物事に取り組むこと」や「気力を奮い起こして努力すること」を意味します。
この言葉は、コツコツと継続的に努力する姿を表すときに使われるのが特徴です。
たとえば研究者が毎日実験を重ね、地道に研究に取り組む姿や、スポーツ選手が目標に向かってトレーニングを続ける様子などが該当します。
ここで重要なのは、「無理をして頑張る」というよりも、自分の内側から湧き出る意志で継続的に努力しているというニュアンスがある点です。
また、「奮う(ふるう)」という言葉から派生した表現で、「気持ちややる気を高めて行動する」という意味も含まれています。
励むという言葉の使い方
励むは、自発的に集中して取り組む場面で使われます。
無理をしている印象は少なく、自然体で物事に熱中している状態を指します。
主に学業や仕事、研究などに使われることが多い言葉です。
例:励むを使った例文
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『練習に励む選手たち』
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『仕事と健康づくりの両方に励む社員』
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『毎日トレーニングに励んでいる』
頑張るとは
一方で、頑張るには「困難に負けずにやり抜く」「自分の意見や立場を貫く」「その場から動かずに踏みとどまる」といった、3つの意味があります。
まず最も一般的な意味は、「困難な状況でも我慢して努力すること」です。
たとえば、初めての登山で足が痛くなっても、ゴールを目指して我慢して登り切るような場面です。
精神的にも肉体的にも「無理をしながら耐える」というイメージが強いです。
次に、「自分の考えを曲げずに押し通す」意味もあります。周囲に反対されても、自分の信念を貫くようなケースです。
最後に、「ある場所にとどまって動かない」という意味もあり、警告を無視して場所を占拠し続けるような使い方もされます。
頑張るという言葉の使い方
頑張るは、「困難な状況でも諦めずにやり通す」場面で使われます。
無理をしながらも目標を達成しようとする強い意志が込められた言葉です。
また、「仕事を頑張る」「勉強を頑張る」といった一般的なシーンでも多く使われます。
例:頑張るを使った例文
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『絶対に合格すると言って頑張る姿に感動した』
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『頑張るだけじゃなく、たまには休むことも大切だ』
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『そんなに頑張る必要、ある?』
励むと頑張るの違いとは
励むと頑張るは、どちらも努力を表す言葉ですが、その内包するニュアンスには明確な違いがあります。
まず、励むは「自発的な努力」や「継続的な集中」を表すのに対し、頑張るは「困難を乗り越える努力」や「無理をしてやり通す強さ」に焦点が当たっています。
具体的に言えば、「研究に励む」は、好きなことや自分の目標に向けて集中して取り組む姿です。
一方で、「仕事を頑張る」は、疲れていても無理して取り組むような、プレッシャー下での努力というニュアンスが強いです。
また、「励む」は物事に取り組む姿勢を穏やかに表現しますが、「頑張る」はやや力強く、感情がこもった表現になる傾向があります。
そのため、「頑張る」には多少の重圧感や気合の入った印象が含まれるのです。
英語に訳す際にも、「励む」は “work hard” や “apply oneself to” のように使われ、「頑張る」は “hang on”、”persist” など、やや我慢や粘り強さが強調された単語が使われます。
まとめ
「励む」と「頑張る」は、どちらも努力を表す言葉ですが、努力の仕方や心の持ちように違いがあります。
AとBの違いを理解することで、状況に応じて正しい言葉を選べるようになります。
無理なく目標に向かって取り組むなら「励む」、困難を乗り越えて挑戦するなら「頑張る」。そんな風に使い分けてみましょう。
さらに参照してください:奏功と成功の違いの意味を分かりやすく解説!