英語には「変える」「変化させる」という意味の単語が多く存在しますが、その中でも混同されやすいのがtransformとconvertです。
どちらも「何かを変化させる」という意味を含みますが、使われる文脈やニュアンスには明確な違いがあります。
本記事では、英語学習者やビジネスパーソンに向けて、transformとconvertの違いをわかりやすく解説し、それぞれの使い方や例文もあわせて紹介します。
transformとは
transformは、ある物の「姿・形・性質」などが大きく変化して、まったく異なるものへと生まれ変わることを意味する英単語です。
変形・変質・変態といった意味合いを持ち、元の状態と全く異なるものに変わるような劇的な変化を表現します。
たとえば、ロボットが車に変形するアニメで使われる「変形する」という表現は、まさにtransformです。
また、蝶の幼虫がさなぎを経て成虫になる「変態(metamorphosis)」も、この単語で説明できます。
ここで重要なのは、変化の度合いが「本質的である」ことです。
単なる表面的な変化ではなく、機能や存在そのものが変わる場合にtransformが使われます。
transformという言葉の使い方
transformは、元のものの構造や機能、形状が大きく変わり、新たな性質を持つものになるときに使います。
特に、元のものとはまったく異なる結果になる場合に適しています。
例:transformの使い方
-
The robot can transform into a car.
(そのロボットは車に変形できる) -
The caterpillar transformed into a butterfly.
(そのイモムシは蝶に変態した) -
The city was transformed after the new policies.
(新たな政策によってその都市は様変わりした)
convertとは
convertは、あるものに手を加えて別の用途や機能を持たせることを意味する英単語です。
日本語で言うところの「改造」「改装」「転換」に近く、既存のものの性質を維持しながら、一部を変更して新しい目的に適応させるニュアンスを持ちます。
たとえば、古い工場をカフェに改装したり、ファイルの形式を別の形式に変更したりする場合にconvertを使います。
つまり、convertは「元のものを生かしたうえで、用途や機能を変える」時に使われるのがポイントです。
convertという言葉の使い方
convertは、元の構造や性質を基本的に保ったまま、用途や機能を変更するような場面で使用されます。
改良やアップグレードといった意味で使われることも多く、変化の度合いは比較的小さいのが特徴です。
例:convertの使い方
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We converted the garage into a home office.
(ガレージをホームオフィスに改装した) -
You can convert the document to PDF.
(その書類をPDFに変換できます) -
He converted to a different religion.
(彼は別の宗教に改宗した)
transformとconvertの違いとは
transformとconvertはどちらも「変える」という意味を持ちますが、その変化の「深さ」と「性質」に大きな違いがあります。
まず、transformは物事の根本的な変化を表します。
見た目だけでなく、性質や機能そのものがまったく異なるものに変わるという点が特徴です。
蝶の変態や社会構造の劇的な変化など、変化後には元の面影がほとんど残らないような状況で使用されます。
一方、convertは部分的または機能的な変更を指し、元の性質を保ちながら、新たな機能を加えたり、目的を変えたりすることを意味します。
つまり、あくまで「ベースはそのまま」に、新たな形や使い方へと適応させるイメージです。
たとえば、古い工場を完全に壊して美術館にする場合はtransformが適しており、内装だけを変えてカフェにするならconvertを使うと自然です。
両者を正しく使い分けることで、英語表現の精度が格段に上がります。
まとめ
transformとconvertの違いは、変化の性質とその深さにあります。
transformは本質的・根本的な変化を意味し、物や存在がまったく異なる形になるときに使います。
一方、convertは既存のものを活かしながら部分的に変更する際に使用され、機能や用途の変更が中心です。
これらの違いを理解して使い分けることで、英語表現がより自然で的確になります。
英会話やライティング、翻訳などさまざまな場面で役立つ重要な語彙ですので、ぜひ習得しておきましょう。
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