英語学習をしていると、似たような意味を持つ単語の使い分けに悩むことがあります。
その代表的な例が say と tell です。
どちらも「言う」「伝える」といったニュアンスを持ちますが、使い方やニュアンスには明確な違いがあります。
この記事では、say と tell の意味や用法を詳しく解説し、さらに両者の違いを分かりやすくまとめます。
英会話やライティングで正しく使い分けたい方は、ぜひ参考にしてください。
sayとは
say は「言葉を発すること」を表す動詞です。
もっとも基本的な意味は「言う」「話す」であり、自分の口から言葉を出す行為全般に使われます。
特徴は、相手の有無にかかわらず「自分が言葉を発する」という行為そのものに焦点がある点です。
具体的には以下のような意味があります。
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言う・話す:単純に言葉を口に出すこと。
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唱える・暗唱する:決められた言葉や文章を繰り返すこと。
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〜してくれ:人に依頼する表現として使われる。
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言わば・言うなれば:何かを説明する前置きとして用いる。
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ちょっと・あのね:人に呼びかけるときの言葉。
また、say は不規則動詞で「say/said/said」と変化します。
名詞として「言い分」「発言権」などの意味を持つこともあります。
重要なのは「発話そのもの」を表す言葉であり、聞き手がいるかどうかは本質的な問題ではありません。
sayという言葉の使い方
say は「自分が何かを言葉にする」という場面で幅広く使われます。
ニュースや日常会話の引用、意見を述べるとき、また注意を促すときなどにも登場します。
文法的には「say + 発言内容」の形が基本で、相手を明示する場合には「say to 人」となります。
例えば、自分の意見を述べたいときや、ただ単に言葉を発したことを伝えたいときに使うと自然です。
例:sayの使い方
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He said he didn’t go out yesterday.(彼は昨日外出しなかったと言った)
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I say, be quiet.(ちょっと、静かにしてよ)
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I can’t say anything about it.(それについては何も言えないな)
tellとは
tell は「人に伝えること」を強調する動詞です。
単に言葉を発するのではなく、「聞き手に対して情報や指示を与える」というニュアンスがあります。
そのため tell を使うときは、基本的に相手(伝達先)が存在します。
代表的な意味は以下の通りです。
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話す・語る:相手に物語や出来事を語る。
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告げる・知らせる:人に情報を伝える。
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言いつける・命じる:指示や命令を与える。
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明言する・保証する:はっきりと意見を述べる。
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見分ける・識別する:違いを判断して説明する。
tell も不規則動詞で「tell/told/told」と変化します。
相手を前提とするため、「tell 人 + 内容」という形で使われるのが特徴です。
つまり、「誰に伝えたのか」が文中で明確になります。
tellという言葉の使い方
tell は「相手に情報を伝える」場面で使われます。
命令や依頼を伝えるとき、または人に知らせたい事柄を話すときなどに適しています。
say との違いは「聞き手がいることが前提」という点です。
文の構造も「tell 人 + 内容」が基本形であり、伝達相手を省略することはあまりありません。
例:tellの使い方
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Please tell me what you have done.(あなたがしたことを教えてください)
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I can’t tell the difference between A and B.(AとBの違いが見分けられない)
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I will tell you later.(あとで教えてあげるよ)
sayとtellの違いとは
say と tell はどちらも「言う・話す」という意味を持っていますが、根本的な違いは「発話の焦点」にあります。
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say は「自分が言葉を発する行為」そのものを表します。
相手がいなくても使えるため、「何を言ったのか」に重点が置かれます。
たとえば、新聞記事の引用で「彼は〜と言った」と述べるときや、単純に発話内容を伝えたいときに使い ます。
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tell は「相手に伝えること」を目的とする動詞です。
誰かに情報や指示を与える場面で用いられ、「誰に伝えたか」という相手を明示するのが特徴です。
つまり、「内容」だけでなく「伝達相手」も重要視されるわけです。
この違いを意識すると、使い分けがはっきりします。
例えば、上司に報告するときは tell、ただ出来事を述べるときは say を選びます。
また「tell + 人 + 内容」が基本であるのに対し、say は「say + 内容」で表現できる点も大きな違いです。
要するに、say は「言葉を口にする」、tell は「人に何かを伝える」というニュアンスで覚えておくと混乱しにくくなります。
まとめ
今回は say と tell の違いを解説しました。
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say は「自分が言葉を発すること」を意味し、相手の有無を問わず使える。
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tell は「相手に伝えること」を意味し、伝達先を伴うのが基本。
両者の違いは「発話そのもの」か「相手への伝達」かにあります。
英会話で正しく使い分けることで、より自然で正確な表現ができるようになるでしょう。
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