英語には似たような意味を持つ単語が多く存在し、正しく使い分けるのが難しいことがあります。
pauseとsuspendもその一つ。
どちらも「一時停止」という意味を持ちますが、ニュアンスや使われる場面には明確な違いがあります。
この記事では、pauseとsuspendの違いを具体的な例とともに解説し、どんなシチュエーションでどちらの単語を使うべきか、分かりやすくご紹介します。
英語表現の幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてください。
pauseとは
pauseは、「一時的に止める」「ちょっと中断する」という意味を持つ動詞です。
特に日常的なシーンでよく使われる単語で、以下のような意味があります。
1つ目は、「一時中止する」「一息つく」といった意味です。
たとえば仕事中にコーヒーを飲むために手を止める場合、それはpauseの状態です。
この停止は一時的で、再開することが前提となっています。
2つ目は、「ためらう」「躊躇する」といった心理的な動きの停止です。
行動しようと思っても、迷いや不安から動けずにいる状態を指します。
この場合も、動きが一時的に止まっていることを表します。
3つ目は、音楽用語としての用法で、pauseは「フェルマータ」と呼ばれる記号を意味し、音を一定時間延ばすことを示します。
これらの意味からも分かる通り、pauseは比較的短い時間の停止を示す柔らかい表現であり、再開の可能性が高い状況に使われます。
pauseという言葉の使い方
pauseは、動作や活動を一時的に止めるときや、感情や思考の中で迷いがあるときに使用されます。
ビジネスや日常生活、ITや音楽の分野など幅広く使われており、使い勝手の良い表現です。
例:pauseの使い方の例を3つ
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Let’s pause the meeting for a short break.
(短い休憩のために会議を一時中断しましょう) -
He paused before answering the question.
(彼はその質問に答える前に少し間を置いた) -
Please pause the video while I get some snacks.
(お菓子を取ってくる間、ビデオを一時停止して)
suspendとは
suspendは、「一時停止する」「保留する」「吊り下げる」といった意味を持つ動詞で、ややフォーマルな印象を与える単語です。
主に次のような意味があります。
1つ目は、「宙ぶらりんにする」「吊るす」という物理的な意味です。
たとえばシャンデリアのように天井から吊るされているものは、suspendされている状態といえます。
2つ目は、「粒子や物体を空中や液体中に漂わせる」という科学的な意味です。
たとえば煙やすすなどが空気中に浮遊している場合に用いられます。
3つ目は、「判断や活動などを一時的に停止する、保留する」という意味です。
決定が下されるまでの間、一時的に物事の進行が止まるという状況を表します。
これも「宙ぶらりん」というイメージが共通しています。
suspendは、物理的な吊り下げから比喩的な意味での「保留」まで、幅広い文脈で使われますが、その多くに「不確定な状態」「再開の時期が未定」というニュアンスが含まれています。
suspendという言葉の使い方
suspendは、活動や処理を一時的に停止する場合や、何かを物理的に吊るす場合に使われます。
特に公式・業務的な文脈で使用されることが多く、決定を一時保留にする場面や、何らかの措置が下される前の待機状態を表すのに適しています。
例:suspendの使い方の例を3つ
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The school suspended classes due to the storm.
(嵐のために学校は授業を一時停止した) -
The employee was suspended for violating company policy.
(その社員は会社の規則違反により停職処分を受けた) -
Dust particles are suspended in the air.
(ほこりの粒子が空中に浮かんでいる)
pauseとsuspendの違いとは
pauseとsuspendはいずれも「一時的にとめる」という意味を含みますが、その性質や使われる場面には明確な違いがあります。
まず、pauseは「動作や行為を短時間とめる」ことで、日常的かつ軽いニュアンスがあります。
行動をちょっと止める、少し休む、一息つくといった意味合いで、基本的には再開が前提です。
たとえば、音楽を一時停止したり、会話を中断したりといったカジュアルな場面で多用されます。
一方、suspendは「一時停止」よりも「保留」「中断」「停止処分」など、よりフォーマルで重い印象があります。また、再開されるかどうかが不確定である場合にも使われることが多く、たとえば法律的な処分、会社での停職処分、一時的な中止措置などに適しています。
さらに、suspendには「宙ぶらりん」「浮かんでいる」といった物理的な意味もあり、物体や粒子が物理的に吊られていたり、浮遊している場合にも使われます。
このような意味はpauseにはありません。
要するに、次のようにまとめることができます:
まとめ
pauseとsuspendの違いは、「短時間の中断」か「再開未定の保留・停止」かという点にあります。
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pauseは、軽い一時停止や迷いを意味し、再開が前提となる行動に使います。
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suspendは、宙ぶらりんの状態や、決定保留、処分など、より深刻かつフォーマルな意味合いがあります。
どちらも「止まる」という共通点はありますが、その背景や使われる文脈によって選ぶべき単語は変わります。
正しく使い分けて、自然で伝わりやすい英語表現を身につけましょう。
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