英語学習において、似たような意味を持つ単語の違いを正しく理解することは非常に重要です。
中でもoccupyとfillは、「場所や時間を使う」「何かで埋める」といった共通点を持ちながらも、意味や使い方にははっきりとした違いがあります。
この記事では、occupyとfillの違いについて丁寧に解説し、それぞれの単語の特徴、使われる場面、具体例などを交えて、英語の理解を深めていただけるよう分かりやすくまとめました。
occupyとは
occupyは「占める」「ふさぐ」「取る」といった意味を持つ動詞で、以下の4つの使い方が代表的です。
1つ目は、場所や空間を占めることです。
たとえば大きなピアノが部屋に置かれていると、そのピアノが部屋の一部を占めていると言えます。
また、トイレを誰かが使っているときも、その人がその空間をふさいでいる=占有していると表現できます。
このように、空間的にある対象を自分のもののように使っている状態を指します。
2つ目は、地位や役職を占めるという意味です。
たとえば「彼は課長のポジションを占めている」と言うと、その役職を務めているという意味になります。
3つ目は、時間や割合を占めることです。
たとえば「このチョコレートはカカオが70%を占めている」と言えば、全体の中の大部分がカカオであるという意味になります。
4つ目は、心や注意を引く・占めることです。
恋愛に夢中になっていると、好きな人のことが頭から離れない、つまり心の大部分をその人が占めていると表現できます。
このようにoccupyは、自分のものにする、または意識や空間の中で大きな部分を占有するような場面で使われます。
occupyという言葉の使い方
occupyは主に「占める」という文脈で使用されます。
対象が空間であれ時間であれ、ある枠の中に存在していて、それが他のもので埋められていない場合、その隙間に入って占有するというイメージです。
ビジネスや日常会話でも、地位や空間、割合の話によく使われます。
例:occupyの使い方の例を3つ
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The sofa occupies a lot of space in the living room.
(そのソファはリビングの多くのスペースを占めている) -
She occupies the position of team leader.
(彼女はチームリーダーの役職を務めている) -
Thoughts of the trip occupied his mind all day.
(その旅行のことが一日中彼の心を占めていた)
fillとは
fillは「満たす」「埋める」などの意味を持ち、以下の6つの使い方が主に挙げられます。
1つ目は、入れ物の中身を満たすという意味です。
たとえば、空の瓶に水を口まで入れると、その瓶をfillしたことになります。
2つ目は、空間を埋める・ふさぐことです。
壁のひび割れにパテを詰める、歯の治療で詰め物をする、あるいは人が会場にたくさん入って満員になるなどがこの意味に当てはまります。
3つ目は、人の心をいっぱいにすることです。
喜びや悲しみなどが感情面を満たすイメージです。
4つ目は、空いた地位や役職を埋めるという意味です。
誰かが辞職した後に別の人がそのポジションに就くと、空きがfillされるという表現になります。
5つ目は、時間の隙間を埋めることです。
たとえば待ち時間に読書をして過ごす、などが該当します。
6つ目は、要求や期待を満たすという使い方です。
必要条件や願望が満たされる、という意味合いです。
このようにfillは、空いている部分を埋める、または内容や感情をいっぱいにする時に使います。
fillという言葉の使い方
fillは「埋める」「満たす」といった意味で使われ、容器、空間、役職、時間、心、要求など多様な対象に対して使うことができます。
どちらかというと機能的・物理的な動作や感情的な充足感に関わる表現で、日常英会話でも非常に頻出の単語です。
例:fillの使い方の例を3つ
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He filled the glass with water.
(彼はコップに水を注いだ) -
The stadium was filled with cheering fans.
(スタジアムは歓声を上げるファンで満員だった) -
Her heart was filled with happiness.
(彼女の心は幸せで満ちていた)
occupyとfillの違いとは
occupyとfillは一見似たように感じられますが、その意味や使い方には明確な違いがあります。
occupyは「ある空間や時間、心などを占める」「役職や地位を務める」といった意味で使われます。
主に、ある対象が何かの一部を継続的に占有しているというニュアンスがあります。
たとえば、「オフィスを占めている」「心の中を占めている」など、物理的・心理的な空間を自分のものにしているイメージです。
一方でfillは「空いているところに何かを詰めていっぱいにする」という意味で、空白や隙間を物理的・感情的に埋める行為を表します。
たとえば「ボトルに水を満たす」「スタジアムを人で埋める」「心を感情で満たす」といった使い方をします。
もう少し具体的に違いを整理すると:
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occupyは、「すでに存在する空間を誰か・何かが取っている」「占有している」状態。
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fillは、「空いている空間に何かを入れていっぱいにする」動作や状態。
また、occupyには「自分のものにする」「専有する」といったやや積極的で支配的な印象があるのに対して、fillは「ただ満たす」「埋める」という比較的中立的な行為を表します。
つまり、空間や役割の中に「自分が入って継続的に占める」のがoccupy、空いているスペースを「何かで物理的・感情的に満たす」のがfillです。
まとめ
occupyとfillの違いは、「占める」と「埋める」というニュアンスの違いにあります。
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occupyは、空間・時間・役職・心などを継続的に占める、つまりある対象がその場所を自分のものとして使っていることを意味します。
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fillは、空いている部分に何かを入れて埋める・満たすことを指します。
容器や空間だけでなく、感情や役職、時間などにも広く使われます。
両者を正しく使い分けることで、英語の表現力がより豊かになり、自然な英文作成に役立ちます。
用途と意味をしっかり理解して、実践に活かしていきましょう。
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