ビジネス英語では、merchantやretailerといった言葉がよく使われますが、それぞれが示す人物像や意味には明確な違いがあります。
どちらも「商人」や「販売者」と訳されることが多いため混同しがちですが、実際には使い分けが重要です。
この記事では、merchantとretailerの違いについて、言葉の定義や使い方、使われる場面などをわかりやすく解説します。
ビジネスシーンで英語を正しく使いたい方におすすめの内容です。
merchantとは
Merchantは、英語で「商人」「取引業者」を意味する名詞です。
主に商品やサービスを売買し、その利益によって収入を得ている人々を指します。
中世の貿易商や、現代のEコマース運営者なども含まれる、広い意味での「ビジネスをする人」として使われます。
この言葉は、必ずしもその人が現時点で実際にビジネスを行っているかどうかに関係なく使えるのが特徴です。
たとえば、ある人が「商人として活動している」と自称している場合、その人物が実際に商売をしていなくてもmerchantと表現することができます。
また、merchantはオンラインショップを運営する事業者や、BtoBビジネスを展開する法人などにも用いられます。そのため、単なる小売業にとどまらず、幅広い業態の販売者を指す言葉として英語圏では使用されています。
merchantという言葉の使い方
Merchantは、商品やサービスの売買を行い利益を得る人全般に対して用いられます。
小売業に限らず、卸売業や貿易業者、Eコマース事業者にも当てはまる、幅の広い概念です。
例:
-
He became a successful online merchant.
(彼はオンライン上の成功した商人になった) -
Many merchants accept credit card payments.
(多くの商人はクレジットカードでの支払いを受け付けている) -
The merchant sold high-quality spices from India.
(その商人はインド産の高品質な香辛料を販売していた)
retailerとは
Retailerは、すでにビジネスとして商品を一般消費者に販売している「小売業者」を指す英語表現です。
これはmerchantよりも限定的な意味を持ち、実際に店舗やオンラインショップなどを通じて小売販売を行っている人物や会社を意味します。
この言葉が使われるのは、明確に小売業に従事していることが確認されている場合です。
つまり、単に「商売をしているかもしれない人」ではなく、実際にビジネスを展開しているプロフェッショナルに対して用いられる用語です。
また、retailerという言葉には、「すでに販売実績がある」「一般消費者向けに販売している」という前提が含まれており、見習いなどの段階の人物には使いません。
たとえば、アメリカなどでは、見習い業者に対しては**Apprentice(見習い)**という別の語が使われます。
retailerという言葉の使い方
Retailerは、消費者に対して商品を販売する業務をすでに行っている人物や企業に対して使います。
ビジネスの現場で、実際に販売を行っていることが前提となります。
例:
-
That retailer offers free shipping on all orders.
(その小売業者は全ての注文に対して送料無料を提供している) -
We work with several major retailers in Japan.
(私たちは日本のいくつかの大手小売業者と提携しています) -
A new retailer just opened in this shopping mall.
(このショッピングモールに新しい小売店がオープンした)
merchantとretailerの違いとは
Merchantとretailerの違いは、対象とするビジネスの範囲と、使われる人物の立場にあります。
まず、merchantは広義の「商人」という意味で使われ、販売者全般を指す柔軟な言葉です。
オンライン販売者から卸売業者、さらには取引の準備をしている段階の人にまで適用されることがあります。
つまり、実際に事業を営んでいなくても「商人」であると名乗ることができるのがmerchantです。
一方、retailerは非常に明確に「小売業をすでに行っている人・企業」を指します。
消費者に対して商品やサービスを販売する立場にあることが前提であり、単に販売意志があるだけではこの言葉は使えません。
また、retailerは主にBtoC(企業対消費者)のビジネスを行っている存在を意味します。
もう一つの違いは、実務経験の有無です。merchantは未経験でも使用できるのに対し、retailerはビジネス経験が前提です。
たとえば、小売店で修行中の人や研修生はretailerとは呼ばれず、英語ではapprenticeという別の言葉を使って表現されます。
つまり、
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merchant = 広義の商人、実際の営業活動の有無に関わらず使用可能
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retailer = 小売業者、実際に販売活動をしていることが条件
というように、適用範囲と前提条件が大きく異なります。
まとめ
Merchantとretailerの違いは、その人物が実際に小売ビジネスを行っているかどうか、そして言葉が持つ範囲の広さにあります。
Merchantは広い意味での「商人」を表す柔軟な単語で、事業の種類や規模に関係なく使われるのが特徴です。
一方、retailerは実際に小売業を営んでいる人物・企業に限定して使われる専門的な用語です。
英語表現を正しく使い分けることで、より伝わりやすく、正確なビジネス英語を身につけることができます。
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