英語のビジネス用語には、似た意味を持つ言葉が多く存在しますが、その使い分けが重要な場面も少なくありません。
incomeとrevenueは、どちらも「収入」や「お金」に関わる用語ですが、厳密には異なる意味を持っています。
企業会計や税務、ビジネスレポートなどで正確な理解が求められるこの2つの単語について、本記事では詳しく、かつ分かりやすく解説します。
言葉の使い分けに自信がない方や英語学習者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
incomeとは
incomeは、日本語で「所得」や「収入」と訳される言葉で、主に個人や企業が特定期間内に得た儲けや利益を指します。
この言葉にはいくつかの意味がありますが、共通しているのは「いくら利益を得たか」という点です。
1つ目の意味は「所得」「年収」であり、税引き前・後にかかわらず、一定期間(多くは1年間)で得たお金の合計額を指します。
サラリーマンの給料や、企業の純利益などが該当します。
2つ目の意味は「定期的な収入」であり、給与、配当金、賃貸収入など、継続的に入ってくる金銭もincomeに含まれます。
ビジネス用語として使う場合、incomeは「利益」や「純収入」の意味で、経費やコストを差し引いた後に手元に残るお金を表すことが多いです。
会計上では「損益計算書(income statement)」という形で、企業の経営成績を把握するための指標としても使用されます。
incomeという言葉の使い方
incomeは、日常生活からビジネスシーンまで広く使われる言葉です。
特に税務申告や家計管理、企業の収益状況などを表すときに使われます。
英語では名詞として扱われ、可算名詞・不可算名詞の両方の文脈で登場します。
例:
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He says he has an income of 8,000,000 yen a month before taxes.(彼は税抜きで月800万円の収入があると言っていた)
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Our income has decreased over the last year because of the COVID-19.(コロナ禍により、わが社の収入が昨年より減少した)
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The cost exceeded the income last month.(先月は費用が収益を上回った)
revenueとは
revenueは、主に企業や政府などの組織に関する「収入」や「収益」を表す言葉で、より広範囲かつ包括的な意味を持ちます。
特に会計・財務において頻繁に使用される重要な用語です。
1つ目の意味は「歳入」で、国家や自治体のような公共機関が、一定期間に集めた税金や手数料などを表します。
2つ目の意味は「歳入の内訳」で、具体的な収入項目の分析にも使われます。
3つ目の意味は「国税局」や「税務署」の意味で、アメリカなどの文脈で「revenue office(税務署)」という表現に見られます。
4つ目の意味が、企業活動における「総収益」です。
これは商品やサービスの販売などから得たすべての収入(売上高)を指し、経費やコストを引く前の金額です。
つまり、revenueはあくまで「総売上」のような意味であり、「利益」や「純収入」ではない点が重要です。
revenueという言葉の使い方
revenueはビジネスの現場、特に会計報告書や財務諸表で多用されます。
売上の合計、収入印紙、政府歳入など、様々なシーンで使われることから、その使い分けが重要になります。
こちらも名詞であり、具体的・抽象的どちらの使い方も可能です。
例:
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Our annual revenue forecasted not so high.(わが社の年間収益はそれほど高くないと予測された)
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Please put a revenue stamp on here.(ここに収入印紙を貼ってください)
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He is the head of a revenue office.(彼は税務署長だ)
incomeとrevenueの違いとは
incomeとrevenueの違いを一言で表すと、「収益の総額」と「利益(儲け)」の違いです。
つまり、revenueは企業が売上として得たすべての金額を指し、incomeはその売上から経費やコストを差し引いた後に残った金額を表します。
たとえば、ある企業が1年間に1億円の売上を出したとします。これはrevenueです。
しかし、その売上を得るためにかかった経費(人件費、原材料費、家賃など)が8,000万円だった場合、残る2,000万円がincomeになります。
また、revenueは企業活動や政府歳入など、スケールの大きな場面で使われるのに対し、incomeは個人や中小企業の所得など、より身近で実生活に密着した文脈で登場します。
重要なのは、incomeは「どれだけ儲かったか」を示す指標であり、税務上の課税対象ともなることが多い点です。一方、revenueは売上の全体像を示し、利益ではないため、コストとのバランスを見るための起点となる数値です。
要するに、revenueはスタート地点、incomeはゴール地点とも言えるでしょう。
この違いを理解することで、会計やビジネス英語における言葉選びが格段に正確になります。
まとめ
今回は、incomeとrevenueの違いについて詳しく解説しました。
両者はともに「収入」に関わる言葉ですが、incomeは「所得」や「最終的な儲け」、revenueは「売上全体」や「歳入」といった意味を持ちます。
英語のビジネス用語としてそれぞれの使い方を正しく理解することで、会計書類の読み解きや英語でのやり取りにおいて、大きな強みとなるでしょう。
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