英語には似たような意味を持つ単語が数多くありますが、微妙なニュアンスの違いを理解することが、英語力を一段と高めるカギとなります。
今回は、「励ます」「勧める」といった意味を持つencourageとrecommendの違いについて解説します。
どちらも「何かをするよう促す」意味合いがありますが、使われる場面や伝えたい意図によって適切な単語を選ぶ必要があります。
英会話やビジネスシーンでも頻出の単語なので、ぜひ正確に使い分けられるようにしましょう。
encourageとは
encourageは、「勇気づける」「励ます」「奨励する」「促進する」といった意味を持つ動詞で、英語圏で非常によく使われる表現のひとつです。
語源は「en(〜させる)」と「courage(勇気)」から成り立っており、「勇気を与えて前に進める」といったイメージが基本になります。
encourageの持つ意味は大きく3つあります。
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人に対して勇気や自信を与えて励ますこと
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何かを推奨して奨励すること
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行動や制度、流れなどを促進すること
これらの意味にはすべて「相手が前向きに行動できるように背中を押す」という共通点があります。
たとえば、落ち込んでいる友人を元気づけるとき、誰かに新しい挑戦を勧めるとき、社会制度を広げるために支援を行うときなど、幅広いシーンで活用されます。
また、encourageは他動詞であり、後ろには目的語が必要です。
特に「encourage + 人 + to + 動詞の原形」という構文がよく使われます。
encourageという言葉の使い方
encourageは、相手に対してポジティブな影響を与え、行動に導くような場面で使われます。
たとえば、友人を励ましたり、子どもに勉強を奨励したり、企業や国がある分野を支援するときなどに使われます。
「行動する勇気を与える」という意味合いが強く、単なる推奨よりも感情的な後押しが含まれる点が特徴です。
例:encourageの使い方の例を3つ
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His songs always encourage me.
(彼の楽曲はいつも私を勇気づけてくれる) -
I encouraged her to have an interview.
(私は彼女に再び面接を受けるように勧めた) -
I encouraged him to try again.
(私は彼にもう一度挑戦するように励ました)
recommendとは
recommendは、「推薦する」「勧める」「忠告する」「任せる」といった意味を持つ動詞で、相手に対して「これが良い」と伝えるニュアンスがあります。
語源には「再び委ねる、任せる」という意味があり、「信頼できるものとして紹介する」感覚に近い単語です。
主な意味は次の4つです。
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何かや誰かを推薦・推挙すること
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相手にとって有益と思われる選択肢を勧めること
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好意的な印象を与えるように行動すること(人に好かれるようにする)
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誰かに物事を任せる、託すること
つまり、recommendは「自分の判断や経験に基づき、他者にとって良いと思うものを提案・紹介する」という点に重点があります。
医師が薬を勧めたり、友人にレストランを紹介したりといった、実用的かつ論理的な判断に基づく「提案」を表現するときに使われます。
また、recommendも他動詞で、名詞形はrecommendationとなり、「推薦」「推薦状」「勧告」といった意味で使われます。
recommendという言葉の使い方
recommendは、自分の知識や判断をもとに、誰かに「これが良い」と伝える場面で使用されます。
商品・サービス・行動・人物など、あらゆる対象を勧めることが可能で、ビジネスや日常会話、学術的な場でも頻繁に登場します。
単なる「勧め」ではなく、「根拠を持った推薦」というニュアンスを持つのが特徴です。
例:recommendの使い方の例を3つ
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I strongly recommend you to study abroad.
(私は君に留学を強く勧めるよ) -
What do you recommend?
(おすすめは何ですか?) -
I recommend this book.
(この本をおすすめします)
encourageとrecommendの違いとは
encourageとrecommendは、どちらも「相手に対して何かをするよう促す」という意味を持っていますが、そのアプローチやニュアンスには明確な違いがあります。
まず、encourageは「相手の内面に働きかけて、勇気や自信を持たせ、行動を促す」ことに重点を置いています。
誰かが不安や迷いを抱えているときに、励ましたり背中を押したりする際に使われます。
たとえば、友人が試験に落ちた後に「もう一度挑戦しよう」と声をかける場面などが典型です。
一方、recommendは「良いと思ったことを相手に伝えて勧める」という論理的な視点に立った表現です。
そこには、個人の経験や評価、専門的な知識に基づいた判断が含まれており、「○○した方がいいよ」「これが良いと思う」といった助言的な要素があります。
さらに、encourageが相手の「気持ち」や「モチベーション」にフォーカスしているのに対し、recommendは「選択肢」や「対象の良し悪し」に焦点を当てているのも大きな違いです。
たとえば:
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彼女が夢をあきらめそうなとき → I encouraged her to keep going.
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どの本を読むべきか相談されたとき → I recommended this book.
このように、encourageは感情的サポート、recommendは知的アドバイスと覚えると、使い分けがしやすくなります。
まとめ
encourageとrecommendはどちらも人に何かを「してほしい」と伝える表現ですが、使い方には明確な違いがあります。
encourageは「相手の心を動かし、行動を後押しする」表現であり、recommendは「自分の判断に基づいて、良いと思うことを提案する」表現です。
英語で正確に気持ちを伝えたいとき、この2つの単語の使い分けはとても重要です。
文脈に合わせて適切な言葉を選び、より自然な英語表現を身につけましょう。
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