英語には「粗い」「ざらついた」といった意味を持つ単語がいくつかありますが、その中でも特に混同されやすいのが coarse と rough です。
一見似た意味に感じるこの2つの単語ですが、実際には使われる場面やニュアンスに明確な違いがあります。
本記事では、coarseとroughの違いを中心に、それぞれの意味、使い方、例文を交えて分かりやすく解説します。英語表現をより的確に使いこなしたい方は、ぜひ参考にしてください。
coarseとは
coarse は、物理的な粗さや品質の低さを表す形容詞です。
主に以下の3つの意味で使われます。
1つ目は、「ざらついた」という意味で、布や紙、サンドペーパーなどの表面が滑らかではなく、ごわごわしている状態を表します。
たとえば、砂がついたフローリングの床に手を当てたときのざらざら感がこの意味に該当します。
2つ目は、音や声の質を表し、「耳障りな」「ざらついたように聞こえる」といったニュアンスで使われます。
聞いていて不快な音や、低く荒い声などがこの範囲に含まれます。
3つ目は、「粗悪な」「上品でない」といった意味で、食べ物や製品の質に対して使われます。
たとえば、安っぽくて雑に作られた料理や商品に対して coarse を使うことがあります。
このように、coarse は、物理的な粗さに加え、感覚的・品質的な粗さや粗末さを表す際に用いられる単語です。
coarseという言葉の使い方
coarse は、粗い手触り、不快な聞こえ方、または質の悪さを強調する場合に使用されます。
物理的な性質だけでなく、感覚的・文化的な価値判断を含む点が特徴です。
例:coarseの使い方
-
The fabric was made from a coarse wool.
(その生地は粗いウールで作られていた) -
He had a deep and coarse voice.
(彼は低くてざらついた声をしていた) -
The meal looked coarse and unappetizing.
(その食事は粗末で食欲をそそらなかった)
roughとは
rough は、coarse と似たように「粗い」や「ざらついた」といった意味を持ちますが、より多くの意味や用法があります。代表的な意味は次の4つです。
1つ目は、「表面が滑らかでない」という意味で、石や木のような自然素材の手触り、皮膚の状態などに使われます。
2つ目は、「荒れた状態」や「困難な状況」を表す意味です。例えば、嵐の海や困難な時期、トラブルの多い人生などを表すときに使われます。
3つ目は、「仕事や計画などが大雑把である」という意味です。仕上がりが丁寧でない、ラフな段階の設計などに対して使われます。
4つ目は、「人や行動が粗野である」ことを表し、洗練されていない、乱暴な性格や発言などに対しても使用されます。
このように、rough は非常に多義的であり、物理的な特徴だけでなく、感情的・抽象的な状況に対しても柔軟に使える単語です。
roughという言葉の使い方
rough は、物の手触りや質だけでなく、状況の厳しさや人の性格、言動の粗さなど幅広く使われます。
使い方次第でポジティブにもネガティブにもなる点が特徴です。
例:roughの使い方
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The road was rough and full of potholes.
(その道はでこぼこで穴だらけだった) -
He’s had a rough time lately.
(彼は最近つらい時期を過ごしている) -
The sketch is just a rough draft.
(このスケッチは単なるラフな下書きだ)
coarseとroughの違いとは
coarseとroughの違いを理解するには、それぞれが使われる場面と意味の広がりに注目することが大切です。
まず、どちらの単語も「物理的に粗い」ことを表す場合には似た意味で使われます。
例えば、布や表面が滑らかでない場合、coarse も rough も使えますが、ニュアンスに違いがあります。
coarse は、特に手触りが不快で質が悪いと感じるような場面で使われやすく、どちらかというとネガティブな意味合いが強くなります。
一方で、rough は意味の幅が非常に広く、物理的な粗さだけでなく、人生の困難、感情の荒れ、仕事のラフさ、言動の粗さなど、抽象的な場面にも広く使われます。
そのため、柔軟性に富んだ単語と言えるでしょう。
さらに、coarse は品質や品格に言及する場合にも使われ、「上品でない」「粗末な」という文化的・社会的な意味合いが含まれますが、rough にはそこまでのニュアンスは含まれないことが多いです。
簡単にまとめると:
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coarse:物理的・感覚的に粗い、質が悪い、上品でない(やや限定的)
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rough:物理的に粗い、困難、雑、荒れた、粗野(広範な意味と使用範囲)
このように、両者は部分的に意味が重なりつつも、用途やニュアンスの面で明確な違いが存在します。
まとめ
coarseとroughの違いは、どちらも「粗い」という意味を含みますが、使われる文脈とニュアンスに大きな違いがあります。
coarse は質が悪く、手触りや音、食べ物の質などにネガティブな意味合いで使われることが多い単語です。
一方、rough は幅広い文脈で使われ、物理的な粗さから人の性格、状況の困難さまで表すことができます。
この違いを理解すれば、より自然で正確な英語表現ができるようになるでしょう。
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