英語で「病気」を意味する言葉としてよく使われるのがdiseaseとillnessです。
どちらも「体の不調」や「病的状態」を表しますが、実は使われ方や意味には微妙な違いがあります。
日常会話や医療英語、さらには社会的な文脈でも使い分けが求められるため、正しい理解が大切です。
本記事では、diseaseとillnessの違いを詳しく解説し、それぞれの意味や使い方、具体的な例文も交えて、分かりやすく紹介します。
英語学習者や翻訳に携わる方にも役立つ内容です。
diseaseとは
diseaseは、主に身体や精神に異常が生じた状態、つまり「病気」を意味する単語です。
特に、原因や症状が明確で、診断可能な病気を指すことが多く、医療や科学の文脈で頻繁に使われます。
たとえば、インフルエンザや糖尿病、心臓病などが該当します。
diseaseには3つの意味があります。
第一に、身体や精神の機能が障害を起こし、苦痛や不快感を伴う状態。
これはもっとも一般的な使い方です。
第二に、社会や精神の健全性が損なわれた状態、つまり「社会の病」といった抽象的な意味で使われることがあります。
第三に、物質が腐敗・変質することも指し、例えば食品が変質してしまった場合などに使われることもあります。
このように、diseaseは医学的な意味にとどまらず、社会的・物理的な「異常」や「不健全さ」も表現できる幅広い単語です。
diseaseという言葉の使い方
diseaseは、特定の診断名のある病気に対して用いられます。
人間だけでなく動物にも使われ、また比喩的に「社会の病」や「悪しき習慣」といった意味でも活用されます。
例:
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He was diagnosed with a rare genetic disease.(彼はまれな遺伝性疾患と診断された)
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Poverty is often described as a social disease.(貧困は社会の病として語られることが多い)
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Improper storage caused the food to develop signs of disease.(保管が悪く、食品が変質してしまった)
illnessとは
illnessは、体調が悪い状態や病気のことを意味します。
一般的には、個人が感じる身体の不調や病的な状態を指す言葉で、日常会話の中でもよく使われます。
原因や診断が特定されていない体調不良にも使えるため、より主観的な意味合いが強いとされています。
この単語は、形容詞ill(体調が悪い)に状態を表す接尾辞**-ness**がついた言葉です。
そのため、illness自体には「どれくらい重いか」や「病名があるかどうか」といった医学的な詳細は含まれません。
たとえば、風邪のような軽い病気から、がんのような重篤な病気まで広く指すことができ、重症度を表したい場合はserious illnessのように形容詞を加えます。
illnessという言葉の使い方
illnessは、特に日常生活の中で「体調が悪い」「病気になった」という感覚を伝えるのに適しています。
原因が明確でなくても使えるため、広い範囲の不調に対応できます。
例:
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She is absent from work due to illness.(彼女は病気のため仕事を休んでいる)
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He recovered from a long illness last year.(彼は昨年、長引く病気から回復した)
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Stress can lead to both mental and physical illness.(ストレスは精神的にも身体的にも病気を引き起こす可能性がある)
diseaseとillnessの違いとは
diseaseとillnessの違いを理解する鍵は、「客観的か主観的か」「具体的か曖昧か」にあります。
diseaseは、診断された明確な病名があるような状態に使われ、原因や症状が科学的に把握されている病気を指します。
医学的・専門的な文脈で好まれる言葉です。
一方、illnessは、病名や原因がはっきりしていなくても、本人が「体調が悪い」と感じる主観的な状態に使われます。
日常会話ではこちらのほうが自然に使われる場面が多いでしょう。
さらに、diseaseは人間や動物に限らず、社会や物質にも使える広い意味を持ちます。
たとえば、「社会の病理」や「腐敗」といった抽象的・比喩的な意味合いにも使用されるのが特徴です。
また、illnessは重さに関係なく使えるのに対し、diseaseはより深刻で診断可能な病気であることが多いため、医療関係者が正確な意味で使いたいときに適しています。
まとめると、
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disease:診断可能な医学的な病気(科学的・客観的)
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illness:主観的に感じる体の不調(原因不明でも可)
という明確な使い分けがあるのです。
まとめ
diseaseとillnessの違いは、どちらも「病気」を意味する英単語でありながら、その使われ方に大きな違いがあります。
diseaseは診断が可能な医学的な病気や社会的・物理的な不健全さまでをカバーする言葉で、科学的で客観的な側面が強いのが特徴です。
一方で、illnessは個人が感じる体調不良を表すより主観的な表現で、日常生活で多用されます。
文脈に応じて正しく使い分けることで、英語表現の正確さと説得力が格段にアップします。
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