日本語には多くの表現があり、同じ意味の言葉であっても微妙にニュアンスが異なることがあります。
今回紹介するのは「溜飲を下げる」と「溜飲が下がる」という言葉の違いについてです。
この2つの表現はどちらも「不満や怒りが解消された状態」を意味しますが、その使い方や背景には明確な違いがあります。
この記事ではその違いをわかりやすく解説し、実際の使い方を紹介します。
溜飲を下げるとは
「溜飲を下げる」は、「自らの行動によって不満や怒り、恨みが解消され、気持ちがスッキリすること」を意味します。
具体的には、何かの行動や発言によって自分の感情を晴らし、スッと気持ちが楽になる状態を指します。
「溜飲」という言葉は、消化不良などによって胃液が上がってくる不快な状態を指しますが、それが解消されることで「胸のつかえが取れる」という比喩的表現として使われます。
この表現は、主に自分の行動や発言によって感情がすっきりしたときに使われます。
例えば、長い間我慢していた不満をぶちまけてスッキリしたときなどです。
溜飲を下げるという言葉の使い方
「溜飲を下げる」は、主に自分が行動を起こすことで不満を解消し、気持ちが楽になる場面で使われます。
例えば、長い間抱えていた不満を誰かに伝えたり、直接的に問題を解決したりすることがきっかけとなります。
例:
-
その店の悪い対応に我慢できず、店長に苦情を言って溜飲を下げた。
-
会社を辞めるときに、嫌味な上司に一言言って溜飲を下げた。
-
あの同僚に文句を言って、溜飲を下げることができた。
溜飲が下がるとは
「溜飲が下がる」は、「外的な要因(他の人の行動や状況など)によって自分の不満や怒りが解消されること」を意味します。
自分の行動ではなく、外部の出来事や他人の行動がきっかけでスッと気持ちが楽になる状態を指します。
例えば、誰かが自分のために不正を正してくれたり、悪い状況が解決されたりすることによって、不満が解消されるケースです。
この表現は、他の人や外的な要因が関わる場合に使われます。
溜飲が下がるという言葉の使い方
「溜飲が下がる」は、自分以外の何か(他人の行動や状況など)によって不満や怒りが解消されるときに使われます。
そのため、前後の文脈で、誰かの行動や出来事がきっかけで感情が晴れたことを説明する必要があります。
例:
-
上司が強敵に勝利したおかげで、溜飲が下がった。
-
あの同僚が嫌な上司に言い返してくれたので、溜飲が下がった。
-
店長がクレームに毅然と対応してくれたおかげで、溜飲が下がった。
溜飲を下げると溜飲が下がるの違いとは
「溜飲を下げる」と「溜飲が下がる」の最大の違いは、感情の解消に関わる要因が自分の行動か他者の行動かにある点です。
-
「溜飲を下げる」は、自分の行動が原因で不満や怒りが解消され、気持ちがスッキリすることを意味します。
この場合、感情を晴らすために自ら積極的に行動を起こすことが必要です。 -
「溜飲が下がる」は、他の人や外部の要因によって不満や怒りが解消される場合に使います。
自分ではなく他者や出来事がきっかけとなって感情がスッキリする状態を指します。
この違いを理解することで、どちらの表現を使うべきか、状況に応じて適切に判断できます。
例えば、自分で悪い状況に立ち向かって感情を晴らしたときは「溜飲を下げる」を使い、他人の行動や状況に助けられて気持ちが楽になった場合は「溜飲が下がる」を使います。
まとめ
「溜飲を下げる」と「溜飲が下がる」は、どちらも「不満や怒りが解消された状態」を意味しますが、使い方に大きな違いがあります。
「溜飲を下げる」は自分の行動がきっかけでスッキリする場合、「溜飲が下がる」は他の人や外的要因がきっかけでスッキリする場合に使います。
この違いを押さえて、日常の会話や文章で適切に使い分けましょう。
さらに参照してください:連携すると提携するの違いの意味を分かりやすく解説!