「ラテンアメリカと中南米の違いとは?」と聞かれると、多くの人が「同じじゃないの?」と思うかもしれません。
実際、これらの言葉は似たように使われることが多いですが、厳密には異なる意味を持ちます。
本記事では、それぞれの言葉の意味や使い方の違いについて、わかりやすく解説していきます。
ラテンアメリカとは
ラテンアメリカとは、主にスペイン語やポルトガル語といった「ラテン系言語」を話す国々を指す地域的な概念です。
これには中南米のほとんどの国々が含まれますが、言語がラテン語にルーツを持つことが重要な定義要素です。
そのため、例えばブラジル(ポルトガル語)、メキシコ(スペイン語)、アルゼンチン(スペイン語)などがラテンアメリカに含まれます。
また、文化や歴史的背景もラテン系ヨーロッパ諸国との繋がりが深い地域を指すことが多いため、地理的な区分だけでなく、言語的・文化的な観点も含まれています。
ラテンアメリカという言葉の使い方
ラテンアメリカという言葉は、文化、経済、政治の文脈で使われることが多く、国際的な場面でも広く用いられています。
特に、言語や文化を基準に分類する際によく使われます。
例:
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ラテンアメリカ諸国ではスペイン語が主に使われています。
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ラテンアメリカの音楽は世界中で人気があります。
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ラテンアメリカの経済成長は注目されています。
中南米とは
中南米とは、「中央アメリカ」と「南アメリカ」を合わせた地理的な呼び方です。
つまり、メキシコからパナマまでの中米地域と、南米大陸全体を合わせた地域を指します。
言語や文化に関係なく、地理的な位置を基準にした言葉であるため、オランダ語を公用語とするスリナムや、フランス語圏のフランス領ギアナなども含まれることがあります。
したがって、言語の起源にかかわらず、地図上で中米または南米に位置する国や地域が「中南米」に該当します。
中南米という言葉の使い方
中南米という言葉は、主に地理的区分として用いられ、報道や統計資料などでも頻繁に使われます。
ラテン系言語を話すかどうかは問われません。
例:
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中南米では農業が主要産業の一つです。
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中南米の観光地は世界中から注目されています。
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中南米の政治情勢についての会議が開かれました。
ラテンアメリカと中南米の違いとは
ラテンアメリカと中南米の違いは、主に「定義の基準」にあります。
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ラテンアメリカは「言語的・文化的背景」に基づいた分類です。
スペイン語やポルトガル語など、ラテン語に由来する言語を話す国々が含まれます。
したがって、ブラジルやメキシコ、ペルーなどはラテンアメリカですが、英語圏のジャマイカなどは含まれません。 -
一方、中南米は「地理的な位置」に基づいた分類です。言語や文化にかかわらず、中央アメリカと南アメリカに位置する国々が含まれます。
よって、フランス語圏や英語圏の国々も含まれる場合があります。
つまり、ラテンアメリカは「話されている言語」がキーポイントであり、中南米は「場所(地理)」が基準になっているという違いがあります。
どちらの用語も文脈によって使い分けが必要であり、国際関係、文化論、経済分析などの分野で適切な表現を選ぶことが求められます。
まとめ
本記事では、ラテンアメリカと中南米の違いについて詳しく解説しました。
言語や文化を基準とするラテンアメリカ、地理的な位置を基準とする中南米。
似ているようで異なるこれらの言葉を正しく使い分けることで、より正確な理解と表現ができるようになります。
さらに参照してください:大衆と民衆の違いの意味を分かりやすく解説!