株式投資を始める際に耳にする機会が多いのが「ジャスダック」と「東証」という2つの言葉。
どちらも株式が売買される市場でありながら、対象となる企業や上場条件には大きな違いがあります。
本記事では、ジャスダックと東証の違いについて、初心者にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
ジャスダックとは
ジャスダックは、かつては中小・ベンチャー企業のための店頭市場として機能していた市場で、現在は東京証券取引所の一部として運営されています。
以前は「株式会社ジャスダック証券取引所」として独立していましたが、2004年以降は大阪証券取引所に吸収され、現在は存在していません。
このジャスダック市場は、「スタンダード市場」と「グロース市場」の2つに分かれており、企業の成長段階に応じた上場が可能です。
スタンダード市場は一定の実績や安定性を持つ企業が対象ですが、グロース市場は将来性を重視し、たとえ赤字であっても上場が可能です。
上場の条件として株主数が200人以上必要ですが、時価総額に関する基準は設けられていないのが特徴です。
ジャスダックという言葉の使い方
ジャスダックは、主に新興企業や中小企業が株式を上場する市場として使われる用語です。
「ジャスダック上場」「ジャスダック銘柄」「ジャスダック市場」といった形で多用されます。
例:
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新興企業がジャスダック市場に上場した。
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ジャスダック銘柄の株価が急上昇している。
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成長性の高い企業はジャスダックグロース市場を目指す。
東証とは
東証(東京証券取引所)は、日本最大規模の金融商品取引所で、株式会社日本取引所グループによって運営されています。
東京を中心に、大阪、名古屋、札幌、福岡など全国に市場があります。
東証には複数の市場区分があり、特に「東証一部」と「東証二部」がよく知られています。
東証一部は日本を代表する大企業が上場しており、上場には非常に厳しい審査基準をクリアする必要があります。
例えば、株主数2,200人以上、総資産40億円以上、時価総額250億円以上などです。
一方の東証二部は、やや条件が緩和されていますが、依然として審査は厳格です。
株主数800人以上、時価総額20億円以上などの基準が設けられています。
東証という言葉の使い方
東証は、主に日本の主要な株式市場として使われ、「東証一部」「東証二部」「東証上場」「東証銘柄」など、ニュースや金融記事で頻繁に登場します。
例:
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大手企業が東証一部に上場を果たした。
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東証の株式相場が大きく動いている。
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東証二部の新規上場企業が話題に。
ジャスダックと東証の違いとは
ジャスダックと東証の違いは、主に上場企業の規模や成長段階、そして上場基準の厳しさにあります。
最も厳しい上場基準を持つのが東証一部であり、次に東証二部、続いてジャスダックスタンダード市場、その下に「マザーズ」、そして最もハードルが低いとされるのがジャスダックグロース市場となります。
たとえば、東証一部では上場にあたって厳しい財務基準や株主数が求められるため、大企業や安定した業績を持つ企業しか上場できません。
対照的に、ジャスダックは成長性のある中小企業でも、比較的柔軟な基準で上場が可能となっています。
また、東証の市場では企業の信頼性が高く評価されやすく、投資家からの注目度も高い傾向があります。
そのため、企業にとっては東証上場がひとつのステータスとも言えるでしょう。
このように、ジャスダックと東証の違いは単なる名称だけでなく、企業の性質や投資家が期待するリターンにも影響を与える重要なポイントとなっています。
まとめ
ジャスダックと東証の違いを正しく理解することは、投資判断を行ううえで非常に重要です。
両者はともに株式市場ではありますが、上場企業の規模や将来性、そして審査基準には大きな差があります。
特に安定性を重視する投資家は東証、成長性を狙いたい場合はジャスダックを検討するなど、目的に応じて市場を選ぶことが求められます。
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