営業所と事務所は、どちらも企業や団体の業務拠点を指す言葉として使われています。
しかし、意味や使い方には明確な違いがあり、それぞれが担う役割にも差があります。
この記事では、営業所と事務所の違いについて、言葉の定義や使用場面、英語表記、例文などを交えて詳しく解説します。
会社勤めの方や就職活動中の方、事業所の名称に迷っている方にも役立つ内容です。
混同しやすい用語の違いをしっかり理解しておきましょう。
営業所とは
営業所とは、会社や組織が利益を目的として行う営業活動の拠点となる場所を指します。
ここでいう「営業」とは、単なる接客や商品販売だけでなく、事業を継続的に運営し、収益を上げるための活動全般を含んでいます。
「営業」には以下の3つの意味があります：
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利益を得ることを目的とした継続的な事業活動
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顧客を訪問して商品の説明や提案を行うこと
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法律的に営利目的で同種の行為を継続するための資産や施設の存在
この中で、営業所という言葉に関係するのは、1つ目の「継続的な事業活動」を指します。
「所」という語は、特定の業務を行う施設や拠点を意味するため、営業所は「継続的に営業活動を行う場所」という意味になります。
会社の本社とは別に設けられることが多く、地域密着型の営業活動を展開するための拠点として機能します。
また、営業所では営業活動に加え、業務上必要な事務作業も行われますが、事務が中心ではない点が特徴です。
言い換えれば、事務も含めて利益を生み出す活動を行うのが営業所です。
営業所という言葉の使い方
営業所は、企業の営業活動に携わる人々の間で多く使われます。
一般の人が日常会話で使うことは少なく、その代わりに固有名詞（例：東京営業所、大阪営業所など）で言及されることが多いです。
また、異動や転勤、出張に関する話題で使われることがあります。
例：営業所の使い方
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○○営業所への異動が決まった。
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新しく開設された営業所と取引を始めた。
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来週から営業所のリニューアル工事が始まる。
事務所とは
事務所とは、事務的な業務、つまり主に書類作成やデータ管理、帳簿の処理、来客対応などを行う場所を指します。
「事務」は、机上で行う業務全般を指し、それが行われる拠点が事務所です。
事務には、企業が利益を得るために行う活動も含まれますが、それ以外にも、行政機関やNPO法人など、営利目的ではない団体でも行われています。
そのため、事務所という言葉は、営利・非営利の区別なく使われます。
たとえば、役所は営利目的ではありませんが、事務作業が行われる場所です。
ただし、「役所」という固有の名称が使われるため、「事務所」とは呼ばれないのが一般的です。
また、NPO法人などが拠点として使う施設は、事務所と呼ばれることがあります。
利益追求とは無関係でも、事務的作業を行う拠点であれば事務所という表現が適しています。
事務所という言葉の使い方
事務所は、事務作業を中心に行う職場で使われる言葉です。
会社勤めの人が「事務所に戻る」「事務所で作業をする」などの場面で使用します。
日常会話においては、「オフィス」と言い換えられることもあります。
例：事務所の使い方
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明日は事務所で一日中書類整理だ。
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事務所での仕事に慣れるまでが大変だった。
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地元に新しい事務所がオープンした。
営業所と事務所の違いとは
営業所と事務所の違いは、主に目的・業務内容・対象団体によって区別されます。
以下にそのポイントを詳しく解説します。
1. 目的の違い
営業所は、利益を得るための営業活動を継続的に行う場所です。
その活動は、商品やサービスの販売、顧客対応、契約締結など、会社の売上に直接つながる業務を含んでいます。
一方、事務所は、主に事務作業を行う場所であり、その業務自体が利益を直接生むものではありません。
むしろ、営業活動を支えるための補助的な役割を担っています。
また、事務作業は非営利の団体でも必要とされるため、事務所は営利・非営利の両方に存在します。
2. 業務内容の違い
営業所では、営業活動を中心にしながらも、事務作業も一部行われます。
つまり、営業の拠点としての性格を持ちながら、補助的な事務も内包しているという構造です。
一方で、事務所はあくまで事務処理がメイン。
営業活動は行われないか、行われたとしても最小限です。
3. 対象とする組織の違い
営業所は、営利目的の企業や法人で使われる言葉です。
特に、複数の営業拠点を持つ企業では、「本社」とは別に各地に営業所を設けることが一般的です。
事務所は、企業、団体、行政など幅広い組織で使われます。
NPO法人や公益団体、政府機関の拠点でも事務所という名称が使われます。
4. 英語での違い
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営業所は “place of business” や “office” と訳されます。
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事務所は “office” が一般的です。日本語でも「オフィス」という表現が広まっています。
両者とも英語では “office” と訳されることが多いため、文脈による使い分けが必要です。
まとめ
営業所と事務所の違いは、その目的と業務内容によって明確に区別されます。
営業所は利益を追求するための営業活動の拠点であり、継続的な事業の中枢を担います。
一方、事務所は主に書類作成やデータ処理といった事務作業を行う場所で、営利・非営利を問わず幅広い組織に存在します。
言葉の意味を正しく理解し、場面に応じた使い分けを意識することが重要です。
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