英語には同じ意味を持ちながら、スペルが異なる単語がいくつも存在します。
theatre と theater もその代表例のひとつです。
どちらも「劇場」や「演劇」といった意味を持ちますが、なぜ綴りが違うのでしょうか。
本記事では、この2つの単語が持つ意味や使い方、そして英米におけるスペルの違いを詳しく解説します。
英語学習者はもちろん、英会話や翻訳の場面で迷いやすいポイントをしっかり理解できる内容になっています。
theatre とは
theatre は主にイギリス英語で用いられる綴りで、以下の4つの意味を持っています。
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劇場
映画や演劇、舞踊などを観客に見せるための建物を指します。
例えば、舞台公演を観に行く際に足を運ぶ場所がこれにあたります。
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劇場に似た施設
古代の演劇は、屋外のすり鉢状の地形や段丘で行われることがありました。
こうした自然の地形を指して theatre と呼ぶ場合もあります。
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演劇
俳優が役を演じ、観客の前で披露する行為そのものを意味します。
たとえば舞台上で男性が女性に告白する場面は、実際の恋愛ではなく、台本に沿った演技です。
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闘争の舞台
比喩的に「戦場」や「戦域」を指す場合もあります。
歴史的な戦いの現場を theatre of war と表現することもあります。
theatre という言葉の使い方
theatre は、劇場や演劇、劇場に似た施設、戦場を表すときに使われます。
映画館を指す場合はイギリス英語で “cinema” を使うのが一般的です。
なお、劇場や戦場は可算名詞として扱われますが、演劇は不可算名詞です。
例:theatre の使い方
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We went to the theatre to watch a play.(芝居を観に劇場へ行った)
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The ancient Greeks built open-air theatres.(古代ギリシャ人は野外劇場を建設した)
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The battle became the main theatre of war.(その戦いは主要な戦場となった)
theater とは
theater は主にアメリカ英語で用いられる綴りで、意味は theatre と全く同じです。
こちらも以下の4つの意味を持ちます。
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劇場
映画や演劇、舞踊を観客に見せるための建物。
アメリカでは映画館も “movie theater” と呼びます。
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劇場に似た形の施設
自然の段丘やすり鉢状の地形を表す場合があります。 -
演劇
観客の前で役者が演技を行うこと。 -
闘争の舞台
戦争や紛争が行われる地域や戦線を指すこともあります。
theater という言葉の使い方
theater も、劇場や演劇、戦場を意味する際に使用されます。
アメリカ英語では “movie theater” が一般的で、映画館を指す場合に頻繁に使われます。
例:theater の使い方
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We saw a movie at the theater last night.(昨夜、劇場で映画を観た)
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The soldiers moved to a new theater of operations.(兵士たちは新しい作戦地域へ移動した)
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The theater was packed with people for the premiere.(初日の公演は観客で満席だった)
theatre と theater の違いとは
両者の違いは意味ではなく綴りにあります。
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theatre … 主にイギリス英語で使用
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theater … 主にアメリカ英語で使用
意味は完全に同じであり、「劇場」「演劇」「劇場に似た施設」「戦場」のいずれも表すことができます。
発音や音節の位置にも違いはありません。
例えば、イギリスでは「National Theatre(国立劇場)」と表記されますが、アメリカでは「National Theater」と書かれます。
どちらを使うかは対象とする英語の地域や文脈によります。
ビジネス文書や観光案内では、対象読者の国や文化に合わせた綴りを選ぶことが大切です。
まとめ
theatre と theater は、意味は全く同じで、唯一の違いは綴りのバリエーションです。
イギリス英語では theatre、アメリカ英語では theater が使われます。
どちらも「劇場」「演劇」「戦場」などを表す多義語であり、使用する場面や対象国に応じて適切な綴りを選びましょう。
英語を書く際には、この違いを理解しておくとより自然で正確な文章が作れます。
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