英語学習を進める中で、「特定する」「明示する」「見分ける」といった意味の似た単語に戸惑った経験はありませんか?
その代表例がspecifyとidentifyです。
一見するとどちらも似たような意味に思えますが、実際には使い方やニュアンスに明確な違いがあります。
本記事では、specifyとidentifyの意味や使い方、そして両者の違いについて、例文を交えながら丁寧に解説します。これを読むことで、文脈に応じた正しい使い分けができるようになるでしょう。
specifyとは
specifyは、「明示する」「具体的に述べる」「詳細を指定する」という意味を持つ他動詞です。
ある情報や条件、対象について曖昧にせず、はっきりと指示・提示する際に使用されます。
たとえば、契約書の条件や技術仕様、納期などを明確に述べたい場合にはこの単語がぴったりです。
語源は「特定の(specific)」から来ており、その関連語にはspecific(明確な)やspecification(仕様書)があります。
いずれも「明確に定義する」という意味合いが共通しています。
文法的には他動詞なので、後ろに必ず目的語が来ます。
使い方は比較的シンプルで、「specify + 名詞」という構文が基本形です。
過去形では「y」を「i」に変えて「specified」となる点に注意が必要です。
specifyという言葉の使い方
specifyは、誰かに対して明確な条件・情報・内容を伝える必要がある場面で使われます。
ビジネスや技術文書、取引条件の提示など、曖昧さを避けたいシーンで頻出します。
例:
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I specified a delivery time.(私は配達時間を指定した)
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Please specify the item number when ordering.(注文時に商品番号を明記してください)
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We need to specify the requirements clearly.(要件を明確にする必要があります)
identifyとは
identifyは、「見分ける」「確認する」「識別する」といった意味を持つ動詞で、他動詞および自動詞の両方として使用されます。
何かを見てそれが何であるか、誰であるかを判断するというニュアンスが強い単語です。
この単語に関連する名詞はidentity(身元、正体)およびidentification(身分証明)です。
これらからも分かるように、identifyは「それが何かを突き止める、認識する」という要素を含んでいます。
たとえば、犯人をidentifyする、製品の不良をidentifyする、といったように、「対象を見て、それが何であるかを明らかにする」場面で用いられます。
identifyという言葉の使い方
identifyは、何かを見て、または情報を通して、その正体や特性を確認する時に使われます。
人や物、状況などの「本質」や「特徴」を見抜いて特定するというイメージです。
例:
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She identified his name from the list.(彼女はリストから彼の名前を見つけた)
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The police identified the suspect using CCTV footage.(警察は防犯カメラ映像から容疑者を特定した)
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The girl identified with the main character.(その女の子は主人公に共感していた)
specifyとidentifyの違いとは
specifyとidentifyは、どちらも「特定する」という意味合いを持つ単語ですが、その使い方やニュアンスには大きな違いがあります。
specifyは、「あらかじめ詳細を明示すること」に重点があります。
自分から何かの条件や項目を具体的に提示する場合に使用されます。
たとえば「配達時間を指定する」「条件を明示する」など、情報をはっきりと伝える必要がある場面に最適です。
一方、identifyは、「何かを見て、それが何であるかを認識・確認すること」に焦点を当てています。
外部から得た情報を基に、それが誰か、何かを判断するときに使われます。
犯人を見分ける、異常を特定するなど、「発見・認識」が含まれるのがポイントです。
つまり、specifyは「事前に決める・明示する」行為であり、identifyは「後から見て確認する・見抜く」行為といえます。
また、文法的にはspecifyが他動詞に限定されているのに対し、identifyは自動詞・他動詞の両方の使い方がある点も違いです。
例文で比較すると以下のようになります。
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I specified the delivery time.(私は配達時間を指定した)
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The customer identified the issue.(顧客が問題を特定した)
前者は情報を伝える行為、後者は観察や分析を通じた認識という違いがあります。
まとめ
specifyとidentifyは、どちらも「特定する」という共通の意味を持ちますが、使い方と目的が異なります。
specifyは「明示する」「指定する」など、情報を事前に明確にする行為に使われます。
一方、identifyは「見分ける」「確認する」といった、情報を基に対象を特定する動作に適しています。
両単語の違いを理解し、文脈に応じて正しく使い分けることで、英語表現の精度が格段に向上します。
ぜひ今後の英語学習や実践で活用してみてください。
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