英語の学習を進める中で、「具体的」という意味を持つspecificとconcreteという単語に出会ったことはありませんか?
どちらも似たような意味に思えますが、実際には使い方やニュアンスに違いがあります。
本記事では、specificとconcreteの意味や使い方を明確にし、両者の違いを丁寧に解説します。
英語表現の幅を広げたい方や、正確に言葉を使いたい方に向けて、分かりやすくまとめています。
specificとは
specificには主に3つの意味があります。
まず1つ目は「明確な」「具体的な」です。
たとえば「部屋をきれいにしてください」という曖昧な指示では何をすればいいのか分かりませんが、「寝室のベッドの上にあるパジャマを洗濯して、布団をたたんでください」と言われれば、すべきことがはっきり分かります。
このように、対象や行動が明確に指定されている状態をspecificと表現します。
2つ目の意味は「特有の」「独特の」です。
例えば、日本ではゴボウを食用としますが、他国では薬草として利用されることが多く、食べる文化はあまり一般的ではありません。
このように、ある地域や人だけに見られる特徴を示すときに使われます。
3つ目は、専門的な分野での使い方です。
生物学では「ある種に特有の」、医学では「特異的な」と訳され、他と区別される特徴を指します。
つまりspecificとは、「対象を明確に限定している」「そのものに固有である」という意味合いで使われる単語です。
specificという言葉の使い方
specificは、曖昧さを排除して、対象や行動が明確であることを示したいときに使います。
日常会話からビジネス、学術分野においてまで幅広く使用されます。
「何が」「どのように」かをはっきりさせたい場面で役立つ言葉です。
例:specificの使い方
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Please be more specific about your request.(あなたの要望をもっと明確にしてください)
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This medicine is specific to this disease.(この薬はこの病気に特有です)
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He gave me specific instructions.(彼は私に具体的な指示を出しました)
concreteとは
concreteも「具体的な」と訳される単語ですが、その意味合いはspecificとは異なります。
concreteの1つ目の意味は「形のある」「実体のある」です。
想像や概念的な話ではなく、目に見える・触れられるような現実的な存在を指します。
2つ目は「コンクリート製の」「固まった」という意味です。
建築などで使用される材料としての「コンクリート」はもちろん、比喩的に「はっきりしている」「確定している」といった使い方もされます。
3つ目は「内容や考えが明確で実際的な」という意味で、例えば「旅行に行きたい」と言うだけでは曖昧ですが、「8月15日に京都へ家族と旅行する」と言えばconcreteな計画になります。
ここでの「具体的」は、抽象的でない、現実に即したというニュアンスです。
concreteという言葉の使い方
concreteは、物理的・現実的なものや、はっきりとした考え・計画などに対して使います。
また、形容詞だけでなく、動詞(固める)や名詞(コンクリート)としても使用されます。
抽象的な話を、現実に近づけて説明するときに便利な単語です。
例:concreteの使い方
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We need a concrete plan.(私たちには具体的な計画が必要です)
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His idea is still abstract, not concrete.(彼のアイデアはまだ抽象的で、具体的ではない)
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The foundation is made of concrete.(土台はコンクリートでできている)
specificとconcreteの違いとは
specificとconcreteはどちらも「具体的」と訳されることが多いですが、その「具体的」が意味するところが異なります。
specificは、「対象や内容が明確に限定されている」「特定されている」という意味での具体性です。
つまり、「何について」「どのように」といった詳細がはっきりしている状態を表します。
たとえば、「specific instructions(具体的な指示)」は、手順ややるべきことが明示されているというニュアンスです。
一方で、concreteは「形のある」「現実に存在している」「実体として把握できる」という意味での具体性です。
抽象的なアイデアや理論に対して、目に見える形に落とし込まれている状態を表します。
たとえば、「a concrete example(具体例)」は、実際に存在する事例や実感しやすい内容を指します。
つまり、specificは「内容が的確で、対象が明確」であることに重きを置き、concreteは「実際に存在している、抽象的でないこと」に焦点を当てているのです。
この違いは、英語を話す際のニュアンスの理解に役立ちます。
たとえば「計画をもっと具体的にしたい」という場面では、「内容を明確にする」のが目的ならspecific、「実行できる形に落とし込む」のが目的ならconcreteを使うのが適切です。
まとめ
specificとconcreteはどちらも「具体的」と訳されますが、指し示す意味は異なります。
specificは「明確に特定されている」ことを強調し、concreteは「形がある」「抽象的でない」ことに重きを置いた言葉です。
英語を使いこなすうえで、この微妙な違いを理解することは非常に重要です。
目的や文脈に応じて適切に使い分けることで、より正確で自然な英語表現が可能になります。
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