Excelを使って数値処理を行う際、切り捨てを行う関数としてfloorとrounddownがよく使われます。
一見似ているように見えるこの2つの関数ですが、実際には適用方法や用途に明確な違いがあります。
この記事では、floorとrounddownの違いについて、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
それぞれの関数の使い方や意味、使用場面の違いを例を交えて詳しく紹介していきますので、関数の正しい使い分けに役立ててください。
floorとは
floorは、Excelにおいて数値を「指定した基準値の倍数に最も近い値へ切り捨てる」ための関数です。
書式は FLOOR(数値, 基準値)
の形で指定します。
この関数は、特定の単位で数値を切り下げたいときに非常に便利です。
例えば、FLOOR(105, 10)
と指定すると、105は10の倍数である100に切り捨てられます。
このように、floor関数は任意の正の基準値(1、5、10、100など)を使って、目的に応じた切り捨てが可能です。
floorは会計や在庫管理、数値のフォーマット調整など、正確に単位を揃える必要がある場面で広く利用されています。
なお、負の数値を指定する場合、切り捨て方向の挙動が異なるため注意が必要です。
floorという言葉の使い方
floor関数は、数値をある「特定の倍数単位」に揃える必要がある時に使われます。
例えば、商品価格を100円単位に切り下げる場合や、重量・距離・金額などを一定の単位で管理したい時に適しています。
floorの使い方の例
-
FLOOR(5880.125, 1)
→ 結果は 5880 -
FLOOR(55, 10)
→ 結果は 50 -
FLOOR(-35, 10)
→ 結果は -40(負の数はより小さい方向に切り捨て)
rounddownとは
rounddownは、Excelで数値を「桁数を基準にして切り捨てる」ための関数です。
書式は ROUNDDOWN(数値, 桁数)
で指定し、桁数によって切り捨てる位置をコントロールできます。
例えば、ROUNDDOWN(2110, -4)
とすれば、10000の位より下の桁をすべて切り捨てることになり、結果は2000になります。
このように、rounddownは1の倍数に基づく桁指定で切り捨てを行う点が大きな特徴です。
桁数が正の値なら小数点以下を、ゼロなら整数部を、負の値なら千の位や万の位を基準として切り捨てが可能。
これにより、目的に応じた非常に柔軟な処理ができます。
rounddownという言葉の使い方
rounddown関数は、数値を任意の桁で切り捨てたいときに使います。
例えば、販売価格を百の位で揃えたり、小数点以下を無視して整数にしたい場面など、桁ベースの調整に最適です。
rounddownの使い方の例
-
ROUNDDOWN(18252.2875, 2)
→ 結果は 18252.28 -
ROUNDDOWN(18252.2875, 0)
→ 結果は 18252 -
ROUNDDOWN(39820.28, -3)
→ 結果は 39800
floorとrounddownの違いとは
floorとrounddownは、どちらもExcelで使われる切り捨て関数ですが、その目的や処理の基準に大きな違いがあります。
まずfloorは、「任意の基準値の倍数」で切り捨てを行う関数です。
たとえば、10円単位、100円単位など、自由に設定できる「単位」を使って数値を調整します。
これは会計処理や単位の統一など、実務的な場面で非常に役立ちます。
一方でrounddownは、「1の倍数に基づく桁数指定」で数値を切り捨てます。
桁数には正数・0・負数を指定でき、目的に応じて小数点以下・整数部・万の位といった柔軟な桁制御が可能です。
例えば、ROUNDDOWN(39820.28, -1)
は10の位以下を切り捨てて39820になります。
また、floorは「10」「100」「0.5」など任意の数値を基準値にできる点が柔軟であり、rounddownはあくまで「桁」で制御するため、切り捨て方にルールがあります。
違いをまとめると以下のようになります。
このように、似ているようで全く異なるロジックで動作する関数なので、使用目的に応じて正しく選択することが重要です。
まとめ
floorとrounddownの違いは、基準となる考え方と切り捨て方にあります。
floorは指定した任意の倍数を基準にして切り捨てを行い、rounddownは指定した桁数(1の倍数)を基に数値を切り捨てます。
どちらの関数もExcelでの数値処理に非常に役立ちますが、用途に応じた適切な使い分けが必要です。
この記事を参考に、両者の違いをしっかり理解して、効率的なExcel操作を実現しましょう。
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