enableとallowの違い

英語には「〜を可能にする」「〜を許す」といったニュアンスの異なる表現が複数存在します。

その中でもenableallowは混同されやすい単語のひとつです。

どちらも「〜ができるようにする」と訳されることがありますが、実際には使い方や意味に大きな違いがあります。この記事では、enableとallowの違いを明確にし、それぞれの特徴や使い方、具体的な例文を交えて分かりやすく解説します。

enableとは

enableは、「〜できるようにする」「可能にする」といった意味を持つ他動詞で、何かができない状態から、それができるようにすることを指します。

単なる許可ではなく、環境や条件を整えることで物事を実現可能にするという意味合いを含んでいます。

たとえば、教育が子どもたちに読み書きを可能にするように、enableは対象者に力や手段を与えて行動を可能にする時に使われます。

また、「権限を与える」「条件を整える」といった意味でも用いられることがあり、技術的・社会的な文脈でも頻出の語です。

この単語は名詞や形容詞ではなく、あくまで動詞として使用され、対象を補助する動作を表現します。

自ら進んで行動するというより、何かを支援・補助する立場にあることを示すのが特徴です。

enableという言葉の使い方

enableは、ある対象が自力ではできないことを、外部からの働きかけによって実現可能にする場面で使われます。

教育・制度・技術・支援などによって人や物が機能する状態を作り出す場合に多用されます。

例:

  1. We should enable the children to read.
    (子供たちが読めるようにするべきだ)

  2. The government enabled the import of semiconductors.
    (政府は半導体の輸入を可能にした)

  3. This product enables to reduce manpower.
    (この製品は人員削減を可能にします)

意味違い辞典

allowとは

allowは、「許可する」「認める」「支給する」「考慮に入れる」など多義的な意味を持つ単語です。

その中心的な意味は、「何かを行うことを許容する」という点にあります。

対象がすでに行える状態であることを前提とし、それを妨げない、または受け入れる姿勢を示す言葉です。

また、allowは人や物、行為の存在を認めたり、制限を緩和したりする場合にも使われます。

名詞形であるallowanceは、「手当」や「許容量」などの意味を持ち、ビジネスや家庭など幅広い場面で使われます。

さらに、物事に「余裕を持たせる」「加味する」といった意味もあり、スケジュール調整や予算管理など、実務的な分野でも重宝される語です。

allowという言葉の使い方

allowは、上の立場にある人や組織が、誰かの行動や状況を許可・承認・容認する際に用いられます。

また、数量や条件を加味して調整をするという意味でも使われます。

例:

  1. I cannot allow my son to behave like that.
    (息子にそのような態度を取らせるわけにはいかない)

  2. The company allows him one million yen a month.
    (会社は彼に月100万円を支給している)

  3. No smoking allowed!
    (禁煙!)

enableとallowの違いとは

enableとallowの違いは、主に「可能にすること」と「許すこと」という観点にあります。

enableは、ある人や物が現時点ではできないことを、何らかの手段や条件によって実行可能にするという意味です。つまり、「できない」を「できる」に変える働きがあるのがenableです。

対象に力や手段を与え、結果としてその行動や機能を実現させる言葉といえます。

一方、allowは、すでにできることを認めたり、妨げずに実行を許したりする意味を持ちます。

行動や存在そのものを容認するものであり、「認可」「承認」「許容」などに近いニュアンスを含みます。

対象が既に持っている能力や状況を前提とするのがallowの特徴です。

このように、enableは「条件を整えてできるようにする」、allowは「行動を妨げずに許す」という根本的な違いがあります。

例えば、

  • Good education enables students to succeed.
    (良い教育は生徒たちが成功できるようにする)

  • The teacher allows students to use a calculator.
    (先生は生徒たちに電卓の使用を許可している)

このように、使われるシチュエーションや意味合いは大きく異なります。

まとめ

enableとallowの違いは、「できるようにする」のか「してもよいと許す」のかという点にあります。

enableは、今できないことを可能にする支援や条件整備を意味し、allowはすでに可能な行為や状況を承認することを意味します。

文脈に応じて正しく使い分けることで、英語表現の精度が格段に向上します。

英語力を磨くうえで、両者の使い分けを理解しておくことは非常に重要です。

さらに参考してください:

employとhireの違いの意味を分かりやすく解説!

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