英語のdiscriminateとdistinguishは、どちらも「区別する」という意味を持つ単語です。
しかし実際には使い方やニュアンスに違いがあり、適切な文脈で使い分けなければ誤解を招く可能性もあります。
特にdiscriminateは「差別する」という否定的な意味も含むため、注意が必要です。
この記事では、discriminateとdistinguishの違いを明確にし、それぞれの意味、使い方、そして具体例を交えて分かりやすく解説していきます。
discriminateとは
discriminateは、「識別する」「区別する」「差別する」といった意味を持つ英単語です。
語源はラテン語の「discriminare(識別する、区別する)」であり、本来は中立的な意味合いを持っていますが、現代英語ではネガティブな文脈でも使われることが多い言葉です。
この単語は動詞として使われ、文法的には現在分詞がdiscriminating、過去形・過去分詞がdiscriminated、三人称単数現在がdiscriminatesとなります。
よく使われる構文としては、discriminate A from B(AとBを区別する)があります。
しかし、現代では「人種」「性別」「年齢」などに関する差別的な文脈で使われることが増えており、たとえば「差別される」という意味のbe discriminated againstといった受動態でも頻出します。
そのため、単なる違いを見分けたい場合には、この単語を使うことで相手に誤解を与える可能性があるため、注意が必要です。
discriminateという言葉の使い方
discriminateは、主に「人や物事を識別する」「差別的に扱う」という二つの意味合いで使われます。
学術的な文脈では「識別力が高い」といった肯定的な意味で使われることもありますが、日常英語では「差別する」というネガティブな意味が強く意識されがちです。
discriminateの使い方の例
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I try not to discriminate against others based on race or gender.
(人種や性別に基づいて他人を差別しないようにしています) -
The system can discriminate between spam and legitimate emails.
(このシステムはスパムと正規のメールを区別できます) -
They grew up discriminated against because of their background.
(彼らはその出自のために差別を受けながら育ちました)
distinguishとは
distinguishは、「区別する」「見分ける」「聞き分ける」といった意味を持つ英単語で、日常的にも非常によく使われます。
この言葉にはネガティブなニュアンスは含まれておらず、物事の違いや特徴を明確に判断するというポジティブで中立的な意味合いがあります。
語源はラテン語の「distinguere(分ける、違いを明らかにする)」で、英語では動詞として使用されます。
現在分詞はdistinguishing、過去形・過去分詞はdistinguished、三人称単数現在はdistinguishesです。
よく使われる構文は、distinguish A from B(AとBを区別する)や、distinguish between A and B(AとBの違いを見分ける)など。
物事の特徴や本質を捉えて違いを明らかにする際に使われる、非常に便利で安全な単語です。
distinguishという言葉の使い方
distinguishは、人や物事の違いを明確に見分けたいときに使われます。
特に、形や音、性質などの違いに注目する場面で頻出し、会話・ライティングどちらにも適した表現です。
誤解を招くことが少ないため、フォーマル・カジュアルを問わず安心して使える単語です。
distinguishの使い方の例
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Can you distinguish between these two sounds?
(この2つの音を聞き分けられますか) -
It’s hard to distinguish good from bad advice online.
(ネット上で良いアドバイスと悪いアドバイスを見分けるのは難しい) -
He is easily distinguished by his unique voice.
(彼はその独特な声ですぐに見分けられます)
discriminateとdistinguishの違いとは
discriminateとdistinguishは、どちらも「区別する」という意味を持つ英単語ですが、使用する場面や含まれるニュアンスに大きな違いがあります。
まず、discriminateは本来「識別する」という意味がありますが、現代英語では「差別する」というネガティブな意味合いで使われることが多いため、使用には注意が必要です。
特に人種差別や性差別など、倫理的・社会的に敏感な話題と結びつく場面では、誤った使い方をすると相手を不快にさせてしまう恐れがあります。
一方で、distinguishはそのようなネガティブな意味合いを持たない中立的な言葉です。
物事の本質や違いを見極めるという前向きな意味で使われ、教育やビジネスの場面でも広く使われています。
さらに、構文にも微妙な違いがあります。discriminateは「discriminate A from B」や「be discriminated against(差別される)」など、特定の対象への差別行為を指す使い方が目立ちます。
一方、distinguishは「distinguish between A and B」や「distinguish A from B」といった、純粋に違いを見分ける表現が一般的です。
要するに、discriminateは判断に「価値評価」や「偏見」が入り込むニュアンスがあり、distinguishは単なる事実ベースの違いを認識する行為と捉えられます。
したがって、「区別したい」だけであれば、誤解やトラブルを避けるためにもdistinguishを使うのが安全です。
まとめ
discriminateとdistinguishの違いを理解することは、英語で正確にコミュニケーションを取るうえで非常に重要です。
どちらも「区別する」という意味を持ちますが、discriminateには「差別する」という否定的な意味合いが含まれているため、文脈に注意が必要です。
一方、distinguishは中立的かつ汎用性が高く、安全に使える表現です。
状況に応じて正しく使い分けることで、英語力に一層磨きをかけることができるでしょう。
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