「発見」と「発明」は、両方とも人類の知識と技術の進歩において重要な役割を果たしますが、その意味や用法には重要な違いがあります。
この記事では、「発見」と「発明」の違いについて詳しく掘り下げていきます。
発見と発明の違い
「発見」とは、この世の中に存在していたがまだ広く知られていない事柄や物事を見いだすことです。
万有引力や相対性理論などの自然の法則は、もともと現象として存在していたものですが、それを理解し「発見」とされます。
数学の定理などは、一定の定義に基づいており、「発見」と見なされます。
アメリカ大陸は、コロンブスによって「発見」されるより前から存在していましたが、人類の存在も確認されていました。
もしかしたら疑問に思う方もいるかもしれませんが、ある特定のコミュニティ(例えばヨーロッパの人々)にとって知られていなかったことが、そのコミュニティにとって「発見」とされる場合もあるので、注意が必要です。
また、「行方不明を発見する」という言い方もありますが、これは単に見つけたという意味で使われます。
「発明」とは、この世の中に存在しなかった新しい器具や機械、装置などを創造することや、技術や方法などの理論を考案することです。
人類の最も古い「発明」は石器ですが、歴史の授業で耳にしたことがあるでしょう。
石器時代では、丸い石ではなく、石を砕いて鋭利な部分を作り、ナイフのように使用したり、木に取り付けて槍のように使用したりしていました。
このように、それまで存在しなかったものを新たに創造することが「発明」とされます。
現代では、「高度な発明」が特許で保護されており、日本の特許法では、「自然法則を利用した技術的思考の創作のうち、高度なもの」という条件を満たした「発明」が特許を取得できますが、「発見」は特許を取得できません。
「発見」と「発明」の共通点としては、前述の「発見」や「発明」が後の新たな「発見」や「発明」に向けて改良される可能性があることです。
先に挙げた万有引力は「発見」され、後に相対性理論として進化しています。
コロンブスによるアメリカ大陸の「発見」は、ネイティブアメリカンにとっては侮辱に当たると見なされる場合もあります。
一方、「発明」は先行する技術を改良し、新たな「発明」が生まれることが多く、例えば「LED」(発光ダイオード)は光通信において重要な役割を果たしています。
まとめ
「発見」と「発明」は、新しい知識や技術を世に広める手段としてそれぞれ重要な役割を担っています。
前者は未知のものを見つけ出すことであり、後者は新たなものを創り出すことです。
両者の関係は、先の「発見」が後の「発明」を促進し、発展させることが多いことも示しています。