「間違い」と「失敗」は、日常生活で頻繁に使われる言葉ですが、その意味や使い方には微妙な違いがあります。
この二つの言葉について、その違いを明確に理解することは重要です。
間違いとは
「間違い」には、以下の4つの意味があります。
1つ目は、真実と異なることです。
2つ目は、しくじりや過失を指します。
しくじりとは、失敗したことを意味し、過失とは不注意などによって起こった誤りを指します。
3つ目は、事故のことです。
4つ目は、夫婦でない関係における肉体的な接触を指します。
間違いの使い方
「間違い」には4つの意味がありますが、真実とは違うことや、しくじりという意味で使われることが多くあります。
真実とは違うという意味では、たとえば算数の答えが正しいものではなかったといった場合や言葉の言い間違えなどに使われます。
しくじりという意味では、仕事で商品を本来よりも多い個数注文してしまったといった場合などに使われます。
間違い使った例文
・『漢字の書き間違い』
・『他人の傘を間違って持ってきてしまった』
・『急いでいたので靴を左右反対に間違いをした』
・『計算の間違いに気が付く』
・『ふりがなの間違いがある』
間違いの類語
「間違い」の類語には、「誤り」があります。
誤りとは、正しくないことです。
正しい、正しくないの判断が抽象的なものに使われます。
間違いの対義語
真実と違うという意味の「間違い」の対義語は「正しい」です。
事故や情事という意味の「間違い」の対義語はありません。
失敗とは
「失敗」には、しくじること、方法や目的を誤ってよい結果を得られないことという意味があります。
失敗の使い方
よい結果や期待していた結果を得られなかったときに使う言葉ですが、その結果を招いてしまった理由が方法や目的を誤った場合にだけ使用します。
たとえば、料理を作ったけれど、まずいものになってしまった。
その理由が塩と砂糖を間違えたという場合、「失敗」といいます。
失敗を使った例文
・『お酒を飲み過ぎて二日酔いになってしまい失敗した』
・『夜遅い時間に食べて体重が増えて失敗した』
・『失敗した料理なんて食べたくない』
・『天気予報に従わず傘を持ってこなかったのは失敗だった』
・『失敗しても次に気をつければいい』
失敗の類語
「失敗」の類語は「失策」です。
失策には、するべきことを怠る、しくじりをするという意味があります。
失敗の対義語
「失敗」の対義語は「成功」です。
成功には、物事を目的通りに成し遂げること、期待していた結果になることという意味があります。
間違いと失敗の違い
「間違い」とは、真実と異なることや、しくじりを指します。
一方、「失敗」とは、方法や目的を誤り、良い結果を得られないことを意味します。
「間違い」と「失敗」はしばしば一緒に考えられますが、「間違った」からといってそれが必ずしも「失敗」になるわけではありません。
例えば、テレビのチャンネルを間違えてしまった場合、これは「間違い」と言われますが、「失敗」とは一般的には呼ばれません。
「間違い」は具体的なミスや誤った行動を指し、「失敗」は正しい方法や目的を誤った結果を指します。
テレビのリモコンで誤ってボタンを押した場合は、正しいボタンを押し直せば良いです。
ただし、本来見たかった番組ではない番組のボタンを誤って押したとしても、それが「良い結果ではなかった」としても、必ずしも「失敗」とは言えません。
「間違い」は結果が良いか悪いかにかかわらず、誤りを指し、「失敗」は目的や方法を誤って、期待した結果を得られないことを意味します。
間違いと失敗の使い方の違い
「間違い」は具体的なミスに関して使われる言葉です。
結果がよいものでも、悪いものでも使うことができます。
「失敗」は期待していた結果にならなかったときに使われる言葉です。
なぜ期待していた結果にならなかったのかというと、方法や目的などを誤ったためです。
それ以外のこと、たとえば晴れて欲しかったのに雨が降ったのは、期待していた結果にはなっていませんが、方法や目的を誤っているのではなく、自分の行動でどうにかできるものではないので「失敗」とはいいません。
間違いと失敗の英語表記の違い
「間違い」は英語では“mistake”と表記します。
“error”にも「間違い」という意味がありますが、“error”は誤差という意味で使われる頻度の方が多いです。
「失敗」は英語では“Failure ”や“mistake”と表記します。
まとめ
「間違い」と「失敗」は、どちらも誤りを指す言葉ですが、用法や意味合いにおいて微妙な違いがあります。
具体的なミスや取り違えを「間違い」と呼び、期待した結果に達しなかったことを「失敗」と表現します。
日常生活でこれらの言葉を正しく使い分けることが、コミュニケーション上重要です。