本記事では、「価格」と「費用」という用語の違いについて紹介します。これらの単語は日常的に使われるものでありながら、その意味や使い方には微妙な違いがあります。

それぞれの特徴や使い方を理解することで、正確なコミュニケーションやビジネス上の判断に役立てることができます。

 

「価格」と「費用」の違い

「価格」「費用」の違いについて紹介します。

 

「価格」と「費用」の使い方の違い

「価格」は、あるものの価値や値打ちをお金で表現する時に使われます。

「費用」は、ある物に幾ら必要かを表す時に使われます。

 

「価格」と「費用」の英語表記の違い

「価格」の英語表現は「price」です。

店員に物の値段を尋ねる時に、ほとんどの日本人は“How much is this?(これは幾らですか?)”を使いますが、“What is the price of this?(この価格は何円ですか?)”でも通じます。

「費用」の英語表現は「cost」です。

上記の例で言えば、物の値段を尋ねる時に“How much does it costs?(これには幾らかかりすか?)”と言う表現でも通じます。

「cost」はビジネスでも良く使われる言葉で、「It costs~」「費用がいくらかかる」という動詞になります。

「価格」の意味

「価格」「かかく」と読みます。

意味は「商品の価値を金額で表したもの」です。

物やサービスを売る側が、買う側に対してそのものの価値を金額で提示することを言います。

例えば、バナナを1房100円で販売している時に、「バナナ」見合う価値は「100円」ということになります。

「価格」は、個人商店の場合は自分で決めることもできますが、多くの場合は以下の3つの決め方になります。

1つ目は「市場価格」で、市場の需要と供給のバランスにより決める方法です。

2つ目は「独占価格」で、その市場でほぼ100%占めている企業によって決める方法です。

3つ目は「統制価格」で、国が関与して決める方法です。

「価格」「料金」は似た意味がありますが、「価格」が単発でその物を購入する時の値段を表すのに対し、「料金」は継続的な購入やサービスの値段を表すことが多くなります。

「価格」の使い方

「価格」は、単独で使われる他に、ビジネス用語では複合語として使われることが多くなります。

「適正価格」は、「その価値や値打ちが常識的に納得のいくものであるか」であり、「市場価格」「現在一般的に出回っているある物の価値や値打ち」です。

「価格」を使った例文

・『石油価格が高騰すると物価が値上がりする』

・『この価格でこの内容ならば満足できる』

・『価格破壊という言葉も死語になった』

・『徹底的に低価格で勝負するお店だ』

・『取引している業者が価格改正したので困っている』

「価格」の類語

「値段(ねだん)」
売買を前提にした品物やサービスに付けられる、対価としての金額のことです。

「代金(だいきん)」
あるものを購入した時に、売手に支払う対価としての金額のことです。

「料金(りょうきん)」
ある商品やサービスを利用した時にかかる、対価としての金額のことです。

「価格」の対義語

「価格」に対義語はありません。

反対の意味に近い言葉として「時価(じか)」があります。

「その時々で変わる商品の値段、または本来売買しないものを売ると想定した時の値段」という意味です。

「費用」の意味

「費用」「ひよう」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「あるものごとをするのに必要なお金のこと」という意味です。

ある目的を達成する為に、幾らお金がかかるかを表します。

あくまで何かの目的や計画を遂行する中で必要とされるお金のことであり、単発で何か欲しいと思った時に支払うお金ではありません。

2つ目は「企業が収益を計上するに当たり、経済的価値を減少させるもの」という意味です。

会計上の言葉ですので難しいのですが、企業が収益を得る為に必要とした、会社が負担するべきお金のことです。

「人件費」「家賃」「光熱費」「交通費」など、全て「費用」になります。

「費用」の使い方

「費用」は、「あるものを利用する時にかかる金額」に対して使われます。

一般的に「費用がかかる」として使われることが多く、「費用がいる」「費用が必要」などとも言います。

ビジネス用語ではこちらも複合語として使われます。

「固定費用」「毎月必ずかかる金額」であり、「営業費用」「企業が営業する為にかかるお金のこと」です。

「費用」を使った例文

・『今回のプロジェクトは費用がかかり過ぎるのが難点だ』

・『営業にかかる費用は個人負担してはいけない』

・『費用を抑える為にも残業させるべきではない』

・『留学するのに幾らぐらい費用がかかるのか知りたい』

・『子供をお受験させるにはかなり費用がかかる』

「費用」の類語

「経費(けいひ)」
あるものごとを実行するに必要なお金のことです。

「支出(ししゅつ)」
ある目的を達成する為に、自分の持っている金銭や物品を払い出すことです。

「出費(しゅっぴ)」
「ある目的にかかった金銭を払い出すこと」です。

「費用」の対義語

「収益(しゅうえき)」
企業が事業により得る利益のことです。

 

まとめ

「価格」と「費用」は、それぞれ異なる文脈で使われる言葉であり、その意味や使い方には明確な違いがあります。

「価格」は物やサービスの価値を金額で表す際に用いられ、「費用」はある物事を行う際にかかる金額を指します。

「価格」は単発的な購入時の価格を示すのに対し、「費用」は継続的な利用や事業運営に伴う支出を示します。

正確な文脈でこれらの用語を使い分けることが重要です。

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