「間違い」と「失敗」は、いずれも誤った行動や結果を示す言葉ですが、それぞれの意味や使い方には明確な違いがあります。
本記事では、「間違い」と「失敗」の違いについて詳しく解説し、具体的な例を挙げてその使い方やニュアンスを明確にします。
間違いと失敗の違い
「間違い」には、真実と違うことという意味や、しくじりという意味があります。
「失敗」には、方法や目的を誤ってよい結果を得られないことという意味があります。
「間違い」と「失敗」はセットのように考えらえることがありますが、「間違った」からといって、それが「失敗」なのではありません。
たとえば、テレビ番組のことで考えてみます。
本当は4チャンネルを見たかったのに、リモコンの5チャンネルのボタンを押してしまいました。
こういった場合を「間違い」とはいいますが、「失敗」とは一般的にはいいません。
「間違い」は具体的なミスや取り違えのことをいいます。
「失敗」は方法や目的を誤って、「よい結果を得られない」ことです。
テレビの番組なら、リモコンの押すボタンを間違ったら、正しいボタンを押し直せばいいのです。
本当は見たい番組ではない番組のボタンを押してしまったからといって、その結果が「よいものではない」のではありません。
「間違い」は、間違った結果がよいものか、悪いものかは問いません。
「失敗」の場合は、方法などを誤って、結果が期待していたものではなかったり、悪いものだったりすることを意味します。
間違いと失敗の使い方の違い
「間違い」は具体的なミスに関して使われる言葉です。
結果がよいものでも、悪いものでも使うことができます。
「失敗」は期待していた結果にならなかったときに使われる言葉です。
なぜ期待していた結果にならなかったのかというと、方法や目的などを誤ったためです。
それ以外のこと、たとえば晴れて欲しかったのに雨が降ったのは、期待していた結果にはなっていませんが、方法や目的を誤っているのではなく、自分の行動でどうにかできるものではないので「失敗」とはいいません。
間違いと失敗の英語表記の違い
「間違い」は英語では“mistake”と表記します。
“error”にも「間違い」という意味がありますが、“error”は誤差という意味で使われる頻度の方が多いです。
「失敗」は英語では“Failure ”や“mistake”と表記します。
間違いの意味
「間違い」には、4つの意味があります。
1つめは、真実と違うことです。
2つめは、しくじり、過失のことです。
しくじりとは失敗を意味し、過失とは不注意などによって起こってしまったしくじりを意味します。
3つめは、事故のことです。
4つめは、夫婦ではない間での肉体関係のことです。
間違いの使い方
「間違い」には4つの意味がありますが、真実とは違うことや、しくじりという意味で使われることが多くあります。
真実とは違うという意味では、たとえば算数の答えが正しいものではなかったといった場合や言葉の言い間違えなどに使われます。
しくじりという意味では、仕事で商品を本来よりも多い個数注文してしまったといった場合などに使われます。
間違い使った例文
・『漢字の書き間違い』
・『他人の傘を間違って持ってきてしまった』
・『急いでいたので靴を左右反対に間違いをした』
・『計算の間違いに気が付く』
・『ふりがなの間違いがある』
間違いの類語
「間違い」の類語には、「誤り」があります。
誤りとは、正しくないことです。
正しい、正しくないの判断が抽象的なものに使われます。
間違いの対義語
真実と違うという意味の「間違い」の対義語は「正しい」です。
事故や情事という意味の「間違い」の対義語はありません。
失敗の意味
「失敗」には、しくじること、方法や目的を誤ってよい結果を得られないことという意味があります。
失敗の使い方
よい結果や期待していた結果を得られなかったときに使う言葉ですが、その結果を招いてしまった理由が方法や目的を誤った場合にだけ使用します。
たとえば、料理を作ったけれど、まずいものになってしまった。
その理由が塩と砂糖を間違えたという場合、「失敗」といいます。
失敗を使った例文
・『お酒を飲み過ぎて二日酔いになってしまい失敗した』
・『夜遅い時間に食べて体重が増えて失敗した』
・『失敗した料理なんて食べたくない』
・『天気予報に従わず傘を持ってこなかったのは失敗だった』
・『失敗しても次に気をつければいい』
失敗の類語
「失敗」の類語は「失策」です。
失策には、するべきことを怠る、しくじりをするという意味があります。
失敗の対義語
「失敗」の対義語は「成功」です。
成功には、物事を目的通りに成し遂げること、期待していた結果になることという意味があります。
まとめ
「間違い」と「失敗」は、どちらも誤った行動や結果を表す言葉ですが、そのニュアンスには違いがあります。
「間違い」は具体的なミスや取り違えを指し、結果が良くても悪くても使われることがあります。
一方で、「失敗」は方法や目的を誤り、期待していた結果が得られなかった場合に使われます。
この違いを理解することで、日常生活や仕事において適切な言葉を選び、コミュニケーションの質を向上させることができます。