「単価」と「金額」は、どちらも商品やサービスの値段に関する言葉ですが、それぞれの意味や使い方には違いがあります。

本記事では、「単価」と「金額」の違いを明確にし、それぞれの具体的な使い方について詳しく解説します。

 

「単価」と「金額」の違い

「単価」というのは、「商品の1個当たり(1単位当たり)の値段・価格」「サービスの1回当たり(1作業当たり)の値段・価格」を意味している言葉です。

「単価」に対して「金額」というのは、「単価も含めて具体的な数字で表現されるお金の量」「商品・サービスの具体的な値段」を意味しているという違いを指摘できます。

「このスマホの単価は5万円です」という場合の5万円は、「スマホ1個当たりの値段を示す単価」であると同時に「スマホの金額」でもあります。

つまり、「単価」「金額の一種」であると解釈することができます。

 

「単価」と「金額」の使い方の違い

「単価」「金額」の使い方の違いは、「単価」「商品1個当たりの値段(価格)・サービス1回当たりの値段(価格)」に限定して用いられる言葉であるのに対して、「金額」のほうは「複数の商品の値段(価格)・複数回のサービスの値段(価格)」にも使うことができる言葉であるという違いがあります。

例えば、「鉛筆1本(1ダース)当たりの値段・価格」であることを分かりやすく伝えたい時には、「鉛筆の金額」よりも「鉛筆の単価」といったほうが、間違った意味の伝達が起こりにくくなるのです。

 

「単価」と「金額」の英語表記の違い

「単価」を英語で表記すると、以下のようになります。

“a per-unit price”(1単位当たりの価格)

“unit price”(単位価格)

“unit value”(単位当たりの価値・値段)

“piece rate”(1単位当たりの価格)

“at~a piece”(~の価格の単価で)

「単価」に対して「金額」を英語で表記すると、以下のようになります。

“amount”(量・分量)

“amount of money”(お金の量)

“price”(価格・値段の数字)

“sum of money”(お金の合計金額)

上記のように、「単価」の英語表記は“unit price”などで、「金額」の英語表記は“amount of money”などであるという違いを指摘することができます。

「単価」の意味

「単価」という言葉の意味は、「商品の1個当たり(1単位当たり)の値段・価格」になります。

「単価」の表現には、「サービスの1回当たり(1作業当たり)の値段・価格」といった意味合いもあります。

「単価」はJIS X 0208において、「@1,000円」のように「@(アットマーク)」を使って表現することもあります。

「単価」の使い方

「単価」という言葉は、「商品の1個当たり(1単位当たり)の値段・価格」あるいは「サービスの1回当たり(1作業当たり)の値段・価格」を指示して使うという使い方になります。

例えば、「この整体院の利用者一人当たりの単価は約5,000円になります」といった文章で使用することができます。

「単価」を使った例文

・『類似した二つの商品の単価を比較してから、どちらを買うのか決めました』

・『レストラン事業においては、原価が安くて単価が高いお酒やソフトドリンクを多く売ることが重要になります』

・『この工場では、単価20円で木材を接合するネジを大量に生産して販売しています』

・『できるだけ安い単価で原材料を仕入れることで、製造業の利益率を高められます』

・『長い付き合いのある卸売業者から、単価1万円の商品を1,000個仕入れる予定です』

「単価」の類語

「単価」の類語には、「価格・値段・代金・料金・プライス」などがあります。

「単価」という言葉は「商品1個当たりの価格・値段」「サービス1回当たりの代金・料金」といった価格(プライス)を意味しています。

そのことから、「単価」と類似の意味を持つ類語として、「価格・値段・代金・料金・プライス」が挙げられます。

「単価」の対義語

「単価」の対義語には、「合計・合計金額・総額」などがあります。

「単価」の表現は「商品1個(サービス1回)当たりの価格・値段」を意味しているので、それとは反対の意味を持つ対義語は複数の商品(サービス)の価格をまとめた「合計・合計金額・総額」になるのです。

「金額」の意味

「金額」という言葉の意味は、「具体的な数字で表現されるお金の量(単価の具体的な数字も含む)」になります。

「金額」というのは、「商品・サービス・物の具体的かつ相対的な値段・価格の数字」を意味しているのです。

「金額」の使い方

「金額」の使い方は、「単価の数字も含めて、具体的・相対的な数字で表現されるお金の量」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「この棚にある商品の金額はいくらですか?」といった文章で使用することができるのです。

「金額」を使った例文

・『金額の高いカバンほどやはり品質が良い傾向があります』

・『二つのサービスの金額が違っている理由は何でしょうか?』

・『ボーナスが入ったので、金額を気にせずに家族で焼き肉を楽しみました』

・『交通費やホテル代などの旅行にかかる金額を調べていました』

・『彼女は細かい金額にもうるさい倹約家でした』

「金額」の類語

「金額」の類語には、「価格・値段・額面・プライス・値打ち・金高(かねだか)」などがあります。

「金額」という言葉には、「物・サービスの価値を具体的な数字の価格・値段・額面で表したもの」といったニュアンスがあります。

「金額」とは、「物・サービスの値打ちを数字で表した額面・プライス(価格)」のことなのです。

また「金高」という言葉は、「金銭の具体的な額・量」の意味を持っています。

そのことから、「金額」と類似の意味を持つ類語として、「価格・値段・額面・プライス・値打ち・金高(かねだか)」が挙げられます。

「金額」の対義語

「金額」の表現には、国語辞典などに掲げられる対義語はありません。

 

まとめ

「単価」と「金額」は、いずれも値段に関する言葉ですが、その使い方や意味には明確な違いがあります。

「単価」は、商品1個やサービス1回あたりの値段を示し、「金額」は具体的な数字で表されるお金の量を意味します。

この違いを理解することで、より正確なコミュニケーションが可能となります。

今後のビジネスや日常生活において、「単価」と「金額」を適切に使い分けることが重要です。

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